絶滅の危機に瀕するお茶を集めた「絶滅危惧茶®」が発売。里地里山の保全に貢献

絶滅危惧茶

地球上には、目に見えない細菌まで含めて3000万種類もの生き物がいるという。そして、食物連鎖や共生関係のように、すべての生き物が互いに影響し合いながら存在していることを「生物多様性」と呼ぶ。

生物多様性は、人間の衣食住を支える重要な要素のひとつだ。しかし、近年では生き物の種類が減少するとともに、絶滅危惧種が増加している。生物多様性が失われると、環境汚染や自然破壊を引き起こしてしまう。その結果、食糧危機や気候変動など、人間の生命を脅かす事態にもつながる。

持続可能な社会を実現するには、生物多様性を守る意識が欠かせない。実際に、生物多様性の保全はSDGsのゴール15のターゲットに含まれており、世界中で取り組むべき課題といえる。

絶滅危惧茶

日本で生物多様性が失われている背景には、「里地里山の手入れ不足」が考えられる。生態保全において、高い価値があると世界的に認められている日本の里山。しかし、里山の多様な生態系を維持するには、適切な管理が必要だ。人の手が入らなくなった里地里山では、自然の質が低下してしまう。

里山を代表する日本の茶畑もまた、後継者不足や生産環境の変化によって減りつつある。茶畑を次世代へと引き継ぐことができれば、生物多様性はもちろん、日本の伝統文化も守れるのではないだろうか。

絶滅危惧茶

そうしたなか、「CLASS EARTH株式会社」は、日本各地で絶滅の危機に瀕するお茶を集約した「絶滅危惧茶®」を、2024年1月1日より販売開始した。絶滅危惧茶を通して、日本の農業における社会課題を学び、解決に向けて共に考えたいとしている。

第一弾は、和歌山県熊野の釜炒り番茶(かまいりばんちゃ)、富山県朝日町のバタバタ茶(ばたばたちゃ)、愛媛県西条の石鎚黒茶(いしづちくろちゃ)の3種類。使い捨てのティーバッグではなく、茶葉での提供と、オーガニックコットン製の洗って繰り返し使えるバッグの販売を推進する。また、梱包資材にはFSC認証紙製の和紙を使用。

さらに、盆栽の現代アート『Kengo Bonsai Gallery』をパッケージデザインに採用した。人間が手入れすることで千年でも美しさを維持できる盆栽に、絶滅危惧茶の存続と繁栄への願いが込められている。

今回、日本庭園を100年以上守り続ける「ホテル椿山荘東京」が、絶滅危惧茶による生物多様性の保全活動に賛同した。初期導入店として、1月15日より、ホテルショップ「セレクションズ」にて「絶滅危惧茶 3個入りセット」を数量限定で通年販売している。オンラインストアでの取り扱いもスタートしているという。

絶滅危惧茶

ホテル椿山荘東京

【絶滅危惧茶 和紙パッケージ3個入りセット】
価格:3,800円(税込)
取り扱い店舗:ホテル椿山荘東京 ホテルショップ「セレクションズ」、オンラインストア

CLASS EARTH株式会社はNature Positive (生物多様性の回復)を事業の目的に掲げ、日本と世界、双方の環境保全団体に対する寄付を行っている。同時に、文化や税制の面で寄付行為が浸透しづらい日本の現状を考慮し、消費行動が寄付に結びつくように工夫。絶滅危惧茶の場合、1点購入ごとに100円がWWFジャパン(世界自然保護基金ジャパン)に寄付される。

茶畑の保全は、日本茶の品種や製造技術を絶滅の危機から救うために有効な手段だ。飲食店がこうしたお茶を調達することも、生物多様性を回復させる一歩につながるだろう。

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【参照サイト】 絶滅危惧茶®︎ ECサイト
【参照サイト】 【ホテル椿山荘東京】日本の生態系の特徴である里地里山の保全に繋がる希少な「絶滅危惧茶®」(Endangered Tea)を1月15日より販売開始
【参照サイト】 絶滅危惧茶®︎(Endangered Tea)を元旦より発売開始 ホテル椿山荘東京にて初期導入店として取り扱い開始

【参照サイト】 生物多様性とはなにか? | ecojin(エコジン):環境省
【参照サイト】 相模原市/生物多様性とSDGs!みんながつながって生きている!【 ゴール15 】
【参照サイト】 CLASS EARTH – 生物多様性の保全、ネイチャーポジティブに関する事業サポート、商品企画

table source 編集部
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