近年、「ゲージフリーエッグ」「平飼い卵」「バタリーケージ」という言葉を目にする機会が増えてきた。ワイヤーでできたケージに採卵鶏を収容して飼育するバタリーケージ。鶏が自由に身動きを取ることができないことや、他の鶏たちとコミュ二ケーションを取ることができないことなどから問題視されている。ヨーロッパでは1990年台からバタリーケージを廃止している国が増えており、アメリカでも州単位で廃止への動きが見られるようになってきた。

そうした中、KFCやピザハットなどを運営するレストランチェーンYum! Brands, Inc.(ヤム・ブランズ)は、2026年までにアメリカや西ヨーロッパ、その他の主要市場を含む大多数のレストランで、すべてのメニューで使用する卵を、100%ケージフリーに移行すると宣言した。

9月に更新したプレスリリースでは、さらに細かな計画を発表しており、アメリカでは、2023年初頭までに少なくとも25%、2024年初頭までに50%、2025年初頭までに75%、2026年までに100%のケージフリーエッグの確保を目指すとしている。また、すでに西ヨーロッパのKFC、イギリスのピザハット、アメリカやカナダのタコベルなど、多くの市場でケージフリーエッグを100%使用した商品が発売されているという。

ヤム・ブランズは世界各地の鶏肉、牛肉、豚肉を使用しているが、アニマルウェルフェアに配慮し、動物の健康状態を改善するために必要な薬(特に抗生物質)を最小限に抑えることや、他の動物たちと共同生活をさせたり、十分に運動ができる環境を整えたりすることでストレスを軽減することを約束している。

日本では生産性や敷地確保などの観点から、ケージフリーが広まらない現実がある。また、一部の農家ではケージフリーへ移行しているが、卵の価格が高いという課題も示唆されている。一方で、今年初めに環境大臣が「アニマルウェルフェアの観点から、バタリーケージによる採卵鶏の飼育は推奨されるものではない」という考えを示したことが話題になった。一人一人がアニマルウェルフェアの意識を持つことによって、日本でもケージフリーエッグが標準となることを願いたい。

【参照サイト】Yum! In The News
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