世界的なオーガニックスーパーの代名詞といえば、アメリカの「Whole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)」だろう。アメリカで最初に認定されたオーガニック食品店であり、食への関心が高いユーザーが集うスーパーマーケットチェーンだ。1980年の設立以来、テキサス州オースティンを拠点としてアメリカやカナダ、イギリスで530以上の店舗を展開している。また、食と人、地球を健康にすることを目指して「Whole Foods, Whole People, Whole Planet」を企業理念に掲げている。商品の品質はもちろん、アニマルウェルフェアや従業員の働きやすさも重視しているところが特長といえるだろう。
2024年9月23日、ホールフーズ・マーケットは、Z世代における食品や健康、食料品などの買い物の嗜好について新しい調査結果の一部を発表した。この調査は、国際的なオンライン市場調査とデータ分析を行うYouGovが代行。2024年8月30日から9月6日にかけて、アメリカの18歳から27歳までの成人1,032人を対象にオンラインで実施された。
調査結果によると、Z世代の消費者は、食料品の持続可能性と品質の両方を圧倒的に重視。多くの人がこうした価値観を反映したブランドを支援するために支出が増えても構わないと考えていることがわかったという。
具体的な回答データとして、Z世代の70%が気候に配慮した農業慣行を支持。また、55%が環境に配慮した製品に高いお金を払う用意があることに加え、半数以上が環境への負荷が少ないものや地元産の食品を優先するブランドを好んでいることが明らかになった。同時に、Z世代の80%が、食品の購入を決定する際に品質が重要であることに同意。さらに、高品質の食品にもっとお金をかけたいと考えている人は70%を占めた。
ホールフーズ・マーケットの最高経営責任者であるJason Buechel氏はニュースリリースのなかで「厳格な品質基準を満たし続けながら、気候にプラスの影響を与えることを優先する姿勢は、ホールフーズ・マーケットのアイデンティティの一部です。これは単に、私たちが何をするのかということだけでなく、企業としてどのような存在であるかということを意味します」と語る。
また、「Z世代が環境に配慮した製品に対する需要を高めているからこそ、私たちは気候に配慮した農業と責任ある調達慣行に向けた取り組みを強化し続けています。Z世代は、将来の世代のために食料システムを守り続けるという大きな希望を与えてくれるのです」と続けた。
一方で今回の調査は、十分な情報に基づいた購買決定を行うために、若い世代の間で持続可能性に関する明確な情報を求める声が高まっていることを裏付けている。特に、気候変動が消費者行動にますます影響を及ぼすなか、Z世代が食品の持続可能性と品質に関する透明性の向上を望んでいる。実際に、Z世代の4分の3近くが気候の将来について懸念を示しており、68%がさまざまな食品の持続可能性についてもっと多くの情報があれば有益だと感じているという。
また、サステナブルな食品調達、環境、製品の原材料を支持する感情や行動は5年前と比較して強化されていることも明らかになっている。今後、レストランやホテルがブランドロイヤリティを向上させるためには、あらゆる社会的責任をきちんとはたしているかどうかが鍵となりそうだ。
【参照サイト】Whole Foods Market / News room
【参照サイト】Gen Z Is Hungry for Transparency in Food Sustainability and Quality Amid Climate Concerns, According to New Whole Foods Market Survey