「Burger King Spain(バーガーキング・スペイン)」は、マドリードにあるパセオ・デル・プラド店を「Vurger King」と表現し、バーガーキングの定番メニューをすべてベジタリアン仕様で提供する。提供期間は1ヶ月間で、プラントベース(植物由来)のハンバーガーや鶏肉を使わないナゲットなどのベジタリアンフードとドリンクのみを提供する。また、メニューに使用される代替肉はすべて、ドイツの代替肉ブランド「The Vegetarian Butcher」のものだという。

店舗は、グリーンを基調とした外装に野菜のイラストが描かれている。メニューは100%ベジタリアン仕様で、「Plant Based Whopper」や「Vegan Chicken Nuggets」、定番の「Long Chicken」を肉無しにした「Long Vegetal」など、さまざまだ。
なお、すべてのメニューには、肉を一切使用していないことを示すVラベルが貼られているが、ハンバーガーとチキンサンドには、卵を使った従来のマヨネーズが使用されている。ヴィーガンの人は注意が必要だが、マヨネーズ抜きで注文することも可能だという。

Burger King社では、今年初めに、ドイツのケルン店でもThe Vegetarian Butcherとコラボレーションしたミートレス・ポップアップを実施した。また、世界各地の店舗で環境に配慮したメニューを提供しており、最近では、プラントベースの人工肉や乳製品を製造・開発するImpossible Foods社との提携を拡大し、同社の最新商品であるヴィーガン・チキンナゲットを発売している。
日本の店舗でも、オーストラリアのフードテック企業であるv2food社と提携し、ヴィーガンバーガー用のパテを提供している。

ベジタリアンメニューと聞くと、外国人観光客向けインバウンドメニューをイメージする人も多いかもしれない。しかし、日本国内にも多くのベジタリアンが存在しており、その数は日々増加している。
プラントベースポータルサイトを運営する株式会社フレンバシーが2019年に行った調査によると、日本国内の20代から60代の男女2399人のうちベジタリアンもしくはヴィーガンは全体の5.7%にあたり、週に1回以上意識的に動物性食品を減らす食生活を送る「フレキシタリアン」は、全体の16.8%に達したという。同社が2017年に行った同じ調査では、ベジタリアンもしくはビーガンが全体の4.5%、フレキシタリアンは全体の12.5%という結果だった。わずか2年の間に、ベジタリアン・ヴィーガンが1.2%増、フレキシタリアンは4.3%も増加している。

Burger King社のような大手企業がベジタリアンメニューを発信することで、ベジタリアンに興味を持つ人も更に増えるだろう。まずは、ベジタリアンメニューの開発から取り組み、卵・乳製品なども使わないヴィーガンメニュー開発を進めるのも一つの方法かもしれない。

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【参照サイト】 Burger King Spain’s Madrid Branch Turns Into Vegetarian ‘Vurger King’
【参照サイト】 日本のベジタリアン・ビーガン・フレキシタリアン人口調査 by Vegewel
【参照サイト】 第2回日本のベジタリアン・ヴィーガン・フレキシタリアン人口調査

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