独立行政法人「農畜産業振興機構」が2021年6月に発表した、世界8ヶ国を対象にした調査結果によると、日本で代替肉を知っていると回答した人は49%だった。植物由来食品のなかでもハンバーガーやハンバーグを食べたことがあると回答した消費者は39%と最も高く、続いてソーセージが33%、ハムが26%だった。他の国でも、代替肉の中では植物由来のハンバーガーやハンバーグを食べたことがあるという回答が多い傾向があり、比較的手軽に食べやすい品目であることがわかる。

そうしたなか、持続可能なレストランや会社を検索できるソーシャルコマースアプリ「abillion」が、世界のヴィーガンバーガーのベスト10を発表した。同社は2021年7月から2022年6月までの間に、世界75ヶ国のアプリ会員が投稿した27,000件以上のレビューから、2022年度のランキングを決定。2,964種類ものヴィーガンバーガーから厳選された10品は、下記の通りだ。

  1. Burger 100% Vegetale (イタリア、Unconventional Burger)
  2. Burger Broccoli & Kale(イタリア、Kioene)
  3. Beyond Burger(アメリカ、Beyond Meat)
  4. Burgers Originali(スペイン、Heura Foods)
  5. V-Burger (イタリア、Fior Di Natura)
  6. Fantastic Burger(イタリア、Vegamo)
  7. Mini Burger con Ceci e Avena(ドイツ、Vemondo)
  8. Hamburguesas De Soja(アルゼンチン、Vegetalex)
  9. Sensational Burger(スイス、Garden Gourmet)
  10. Impossible Burger Patties (アメリカ、Impossible Foods)

 

今回は、上位3位の商品について詳しく紹介する。1位に輝いたのは、イタリアの食品業界を牽引する大手企業「Granarolo」の「Unconventional Burger」。1957年創業の同社はボローニャに本社を置き、コロナ禍の2020年3月に同商品を発売した。今後、ヨーロッパやイギリスにも販路を拡大する予定で、ソーセージ、ヒレ肉、カツレツなど商品数も増やしていくという。

同社によると、Unconventional Burgerはジューシーな味わいが特徴で、1つあたり17gのタンパク質を含むという。大手ファストフードチェーン「マクドナルド」の最もシンプルなハンバーガーのタンパク質が12.8gであることと比較すると、100%植物由来でありながら多くのタンパク質を含んでいることがわかる。

2位にはイタリアの食品会社、「Kioene」の「Burger Broccoli & Kale」。Burger Broccoli & Kaleは、パテの原料にブロッコリーを42%、ケールを9%使用しており、ケールの独特の風味が特徴の商品だという。

同社は、他にもパテの原料にカボチャを45%、ニンジンを7%使用した「Mini Burger Vegetale con Zucca e Carote」や、ほうれん草を25%、ニンジンを24%使用した「Mini Burger Vegetale agli Spinaci」など、さまざまな野菜を“パテの主役”として活かした商品を展開している。

 

この投稿をInstagramで見る

 

Kioene(@kioene)がシェアした投稿

3位は2022年中に日本での販売開始も予定しているアメリカの代替肉企業、「Beyond Meat」の「Beyond Burger」。
Beyond Burgerは肉厚でジューシーな味わいが特徴で、ココナッツオイルや圧縮キャノーラ油、ヒマワリ油を加えることでジューシーな肉汁を、ポテトスターチなどの植物繊維誘導体を加えることで噛み応えを表現し、可能な限り本物の牛挽き肉のパテに近づけたという。

Abillionによると、2022年の植物由来肉に対する消費者の関心は、2021年に比べて150%増加したという。また、食肉市場の年平均成長率が1%なのに対し、植物由来肉市場は30%成長すると予測している。ホテルやレストランにとっても、今後も世界で高まり続ける代替肉需要への対応は、見過ごせない課題になるのではないだろうか。

【関連記事】

代替肉大手ビヨンドミートがついに日本上陸。マルエツやマックスバリュなどで販売

【参照サイト】 Sustainability platform abillion announces the World’s 10 Best Vegan Burgers 2022, determined by global consumers
【参照サイト】 各国における食肉代替食品の消費動向
【参照サイト】 1位:Unconventional
【参照サイト】 2位:Kioene
【参照サイト】 3位:Beyond Meat
【参照サイト】 Abillion
【参照サイト】 マクドナルド 栄養情報一覧

table source 編集部
table source 編集部
table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆さまに向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
Share
This