持続可能な社会の実現を目指して、消費者の健康意識や環境意識、アニマルウェルフェアに対する関心が高まっている。その結果、ヴィーガンの生活スタイルを選択する人も多い。
アメリカの市場調査レポートプロバイダー「REPORTOCEAN」が2021年11月15日に発行したレポートによると、世界のヴィーガン食品市場は、2027年までに289億5000万米ドルに達する見込みだ。また、2020年における世界のヴィーガン食品市場は約152億4,000万米ドルで、2021年から2027年の予測期間には9.6%以上の健全な成長率が見込まれるという。

今後、世界のヴィーガン食品市場が成長するにつれ、国内の需要も増大すると考えられる。飲食店をはじめとする食に関わる分野では、今後さらにヴィーガンへの配慮が重要となるだろう。

そうしたなか、全国各地で体験型イベントの企画を手がける「株式会社ネイキッド」は、レストラン「TREE by NAKED yoyogi park」にて、ヴィーガンシェフである上田美徳氏が手掛けるヴィーガンランチコースの提供を2023年3月17日より開始した。

【左上】ファイトケミカルスープ【右上】アミューズ：大豆パテのサンドイッチ/ベジタブルラップ（豆腐と南高梅の海苔巻き/パプリカディップのバーニャカウダ風
【左下】季節野菜のポタージュ【右下】人参のカナッペ/長芋と青海苔のカダイフ揚げ/有機野菜のサラダ〜3種類のドレッシング〜

TREE by NAKED yoyogi parkは、映像や照明、音楽による空間演出を通して、食事とアートを五感で楽しめるレストランだ。室内にはプロジェクションマッピングが映し出すジャングルのような景色が広がり、非日常的な空間を演出している。

上田氏は、自身の介護経験から、単調になりがちなヴィーガン料理でもおいしく食べてもらいたいという想いのもとメニューを考案している。ランチコースは前菜からメイン、デザートまで味わえる全7皿の構成で、規格外とされた石川県能登産の有機野菜をふんだんに使い満足感のある内容に仕上げたという。ヴィーガンに対応するメニューの開発と併せて、食品ロス削減に取り組んでいることもサステナブルなポイントだ。さらに食事だけでなく、酵素ドリンクやヴィーガンワインなどドリンクについても充実したラインナップを取り揃えている。

【左上】メインプレート：ビーツナゲット/豆腐ナゲット 【右上】〆： 発芽玄米の柚子味噌焼きおにぎり/野菜の出汁
【左下】デザート：季節のヴィーガンミルフィーユ季節フルーツのゼリー【右下】ヴィーガンドリンク

これまで、食とアートを組み合わせたさまざまなイベントが開催される一方で、ヴィーガンへの対応はなかなか進んでいなかった。華やかな演出とこだわりの食事を提供するレストランの取り組みは、幅広い世代から注目を集めるだろう。また、こうした演出を通して消費者がヴィーガンに興味を持つことで、サステナブルな暮らし方を考えるきっかけとなる。飲食店はヴィーガン需要の高まりを見据えて、ヴィーガン対応メニューの展開や、イベントの企画を検討してみてはどうだろうか。

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