国連児童基金(UNICEF)、国連食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、国連世界食糧計画(WFP)、世界保健機関(WHO)は、毎年共同して「世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI)」と呼ばれる報告書を作成。世界中の飢餓や食糧安全保障、栄養に関する最新のデータを収集して分析するとともに、課題への対策を提示している。
2025年度の「SOFI」は、7月27日から29日にかけてエチオピアの首都・アディスアベバで開催された第2回国連食料システムサミット・ストックテイク(UNFSS+4)に合わせて発表された。

そもそも国連食料システムサミットとは、SDGsの目標達成に向けて持続可能な食料システムへの転換が不可欠とするグテーレス国連事務総長の考えに基づいて始まり、2年ごとに会合を実施することで合意。そして今回、2023年の第1回国連食料システムサミット2年後会合(UNFSS+2)に続く開催となった。
「SOFI 2025」の推計によると、2024年には世界人口のそれぞれ7.8%と8.8%に相当する6億3,800万人から7億2,000万人が飢餓に直面。数値に幅があるなか、最も可能性が高いとみなされる点推定値の6億7,300万人を基準とした場合、世界人口の約8.2%が飢餓を経験したことになる。過去データと比較すると、2023年の8.5%から1,500万人、2022年の8.7%からは2,200万人減少した結果だ。とりわけ南アジアとラテンアメリカにおいては、栄養不足蔓延率に顕著な改善が見られた。

しかし、世界的な減少傾向とは対照的に、アフリカの大部分と西アジアの地域では飢餓が引き続き増加しているという。さらに、2030年までに5億1,200万人が慢性的な栄養不足に陥る恐れがあるうえに、その60%近くはアフリカで発生すると予測されている。こうした事態を受け、「SOFI」を取りまとめる国連の5機関は、SDGsの目標2「飢餓をゼロに」の達成がいかに困難な課題であるかが浮き彫りになっていると警鐘を鳴らした。
世界の飢餓を巡って、近年ある程度の進展が見られるものの、最新の推計値は依然として新型コロナウイルス感染症のパンデミック前の水準を上回っているのが実情だ。
さらに、2021年から2023年にかけて起きた食料価格の急騰が、食糧安全保障の回復や栄養分野の改善を妨げている。なかでも低所得国は食料価格の上昇率が大きく、健康的な食事をとれないことで生じる栄養状態への悪影響も看過できない。

日本に暮らす私たちにとって、世界の飢餓の現状は、身近には感じにくい問題かもしれない。しかし、食を扱う飲食店関係者にとっては、食材の背景や世界の食料事情を知ることは重要だ。飢餓の実態を理解することで、食の大切さや持続可能な調達・フードロス削減の意義がより実感を伴って捉えられるようになるはずだ。
【参照サイト】UN Food Systems Summit Stocktake +4
【参照サイト】1023. サミットからシステム全体の変革へ | 国際農研
【参照サイト】目標2 | SDGsジャパン
【参照サイト】The State of Food Security and Nutrition in the World (SOFI) Report
【参照サイト】Global hunger declines, but rises in Africa and western Asia: UN report
【参照サイト】ユニセフなど新報告書 世界の飢餓、減少傾向の一方 アフリカと西アジアでは増加 【プレスリリース】




















































