
ホテルの各客室に必ず設置されているタオル。お客さまの肌に直に触れるものだからこそ、常に状態の良いものを準備しておきたいところだが、洗濯回数を重ねると繊維が痛み、肌触りが悪くなり、吸水性も下がってしまう。一般的に、タオルの寿命は毎日洗濯すれば一ヶ月、一週間に一度の洗濯で半年だという。家庭での使用の場合、肌触りに少々難があっても使い続けるケースの方が多いかもしれないが、ホテルで提供する場合はどうだろうか。まだまだ使える状態にも関わらず、処分せざるを得ない場合もあるかもしれない。
そうしたなか、タオルやパジャマ、ルームウェアなどを製造・販売する「内野株式会社」は、SDGsで提唱されている12番目の目標「つくる責任・つかう責任」に取り組むため、店舗でのタオル回収キャンペーンを開始した。キャンペーン期間は、2021年10月15日から11月30日。回収したタオルは、「特定非営利活動法人もったいないジャパン」と連携し、国内外の様々な福祉施設などに寄贈する。
タオルは新品のものと中古のものどちらも回収の対象だが、中古品は洗濯済みのものに限る。また、内野株式会社のタオルに限らず他社製品のタオルも受け付ける。
回収場所は、UCHINO relax(渋谷スクランブルスクエア店)、UCHINO Bath & Relaxation(セレオ八王子店、西武東戸塚店)の3店舗。各店舗に回収ボックスが設置されており、タオルを持参すると即日から使用可能な10%オフクーポン券を受け取ることができる。
現時点では3店舗のみでの取り組みだが、今後は全国の百貨店内の店舗など対象店舗を増やし、内容を充実させながら継続的に取り組んでいくという。
今回紹介した取り組みは、「つくる責任」を担う内野株式会社の取り組みだ。「つかう責任」を担うホテルでも、各ホテル単位で取り組めることがあるのではないだろうか。
タオルは、処分の際に古着や古布と同じく資源として回収している自治体がある一方で、「再利用に不向きなために可燃ゴミとして処分するように」と指定している自治体もある。経済産業省の報告によると、2020年に出荷されたタオルはおよそ10127トンにも及ぶ。これらのタオルが少しでも長く使われるような取り組みが広がることを期待したい。
【参照サイト】 SDGsアクションを店舗から~タオル回収キャンペーンを開始!
【参照サイト】 タオル回収キャンペーン実施のお知らせ
【参照サイト】 ワールドタオル株式会社:タオルの教科書
【参照サイト】 経済産業省生産動態統計年報 繊維・生活用品統計編