プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の施行まで1ヶ月を切った。なかでも注目したいのが、前年度に提供した特定プラスチック使用製品の量が5トン以上である事業者は、取り組みが著しく不十分な場合に勧告・公表・命令等を受ける可能性があるという点だ。この「5トン以上」には多くのホテルが当てはまるのではないだろうか。

そうしたなか、渋谷ストリームエクセルホテル東急は、プラスチック廃棄物の削減を目的とし、2022年2月24日より順次、国産間伐材を使った日本初のエコボトル「森のマイボトル」を全客室に導入すると発表した。

「森のマイボトル」は、アサヒグループにおける新たなサステナビリティ事業を展開する「アサヒユウアス株式会社」の新商品だ。素材には和歌山県産のヒノキの間伐材をプラスチックに混ぜ込んでいる。容器全体の28%が間伐材由来の原料でできており、木材由来の自然な質感や香りが楽しめるという。

「森のマイボトル」と同時に導入するのが、ウォーターサーバーだ。各フロアに設置することで、これまで客室で無償提供していたペットボトルのミネラルウォーターを廃止。ウォーターサーバーの水を客室へ持ち運ぶための容器として「森のマイボトル」を使用してもらいたい狙いだ。これにより年間約7万本のペットボトルのごみを削減可能だという。

「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の対象となる12品目にペットボトルは含まれていない。また、ペットボトルは比較的リサイクルしやすい素材としても知られている。一方で、サーキュラーエコノミーの考え方では、リサイクルという手法自体、多くのエネルギーを使うため最終手段とされている。更なる環境負荷の削減を実現するためには、リサイクル率を高めるのと同時にそもそもの消費量削減にも取り組まなければいけない。

渋谷ストリームエクセルホテル東急ではこれまでにも、プラスチック廃棄物削減のため、プラスチック製のストローを廃止し、紙ストローなどを採用してきた。また、既存のヘアブラシやレザーなどを廃止し、ムギの廃棄物からなるバイオマスを使用したアメニティの採用などの取り組みも行っている。積極的にサステナブルな新商品を取り入れるなど、今後も同ホテルのサスティナビリティ実現に向けた取り組みに注目したい。

【参照サイト】プレスリリース|渋谷ストリームエクセルホテル東急
【参照サイト】プレスリリース|アサヒグループホールディングス株式会社

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