近年、経済のグローバル化、情報化などに伴い、消費者のサステナビリティへの意識が高まっている。
「ホットペッパーグルメ外食総研」が2022年4月に実施した調査によると、「環境や持続性に配慮した飲食店を積極的に利用したいか」という質問に対し、「とてもそう思う」と「そう思う」と答えた回答者は 65.2%にものぼったという。ほぼ3人に2人は、そうした取り組みを行う飲食店に対し利用意向があることが明らかになった。
こうした消費者意識の変化に伴い、お店の内装デザインや装飾などの「サステナビリティに配慮された空間づくり」が注目を集めている。
そうしたなか、「東京プリンスホテル」は2023年夏、かんな屑を使用したアートディスプレイを年間を通して展示することを発表した。
環境に配慮した作品作りをしているアトリエ「土佐草木花」と協業し、木材を削る際に出るかんな屑「かなば」を「花」に再生して誕生した、横約4m、縦約0.8mの迫力あるアートディスプレイ。ひとつひとつ手作りで作られており、まるで本物の花のように再現されている。大きな花はダリアをイメージしているという。
このアートディスプレイの展示場所は、3F「ブッフェダイニング ポルト」。豊かな緑に囲まれた落ち着いた雰囲気のレストランで、夜は窓側席から東京タワーのライトアップした様子を眺めることができる。
さらに、東京プリンスホテルでは、環境に配慮したサステナブルなホテルを目指すため、まだ美しいにも関わらず廃棄されてしまう花を利用して作られたドライフラワーを使用したロビー装飾を今年の4月より季節ごとに展開している。
7月からは、グリーンを基調とした夏仕様の装飾に。アジサイ・スモークツリー・かすみ草・ハイブリッドスターチスを使用。装飾後は、ポプリとして館内に飾り、フラワーサイクルを実現するという。
顧客の印象を左右し、滞在時間やリピート率、売上にも直結するといわれる、内装デザイン。レストランのサステナビリティというと、食品ロス削減や地産地消など料理にまつわる取り組みを思い浮かべがちだが、今回紹介した東京プリンスホテルの発表のように、店舗の装飾にまでサステナビリティを反映することで、より多くのお客さまの共感を呼ぶことができそうだ。
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【参照サイト】 環境省:環境問題に対する意識の高まり