倉庫に眠っていた古い食器をカラーリングで再生。ホテル内レストランの朝食で使用へ

ホテルや飲食店に無くてはならない必需品である、食器。陶磁器食器の原料となる石や土は枯渇性資源であり、すでに上質な資源は入手が難しくなってきている。食器も含め、今後もお客さまへこだわりの一皿を提供し続けていくためには、食の業界全体で従来の大量生産・大量消費・大量廃棄というリニア型のビジネスモデルを見直し、できるだけものを廃棄せず資源を循環させるサーキュラー型のビジネスモデルへ転換する必要がある。

一方で、飲食店で使われる食器は絵柄の摩耗や表面の細かい傷のため、割れや欠けがなくとも廃棄されているという現状がある。機能としては問題ないものの使用感のある食器を使うわけにもいかず、罪悪感を持ちながら処分をした経験がある人も多いのではないだろうか。そうした課題にアプローチする、新たな取り組みを始めたのが京阪グループのフラッグシップホテル「THE THOUSAND KYOTO (ザ・サウザンド京都)」だ。

THE THOUSAND KYOTOは2023年5月17日、倉庫で眠っていた古い食器に「リカラー」を施し、館内レストラン「SCALAE」の朝食で使用することを発表した。隣接する姉妹ホテル「京都センチュリーホテル」で約13年前に使用されていた食器約50枚に改めてカラーリングを施すことで、新たなデザインの食器として使用する。

この取り組みは、館内レストラン「SCALAE」の朝食リニューアルに際し、食そのものだけでなく、食器における「サステナブル・コンフォート」を目指したものだ。

また、今回のリカラーを手がけるのは、循環型の食器づくりを進める老舗用食器メーカー「ニッコー株式会社」。倉庫で眠っていた古い食器もニッコー製の食器だ。石川県にある自社工場で一つひとつ丁寧に作られた食器は、世界中のホテルやレストランで使用されており、優れた耐久性が特長のひとつ。長年の使用や日々の洗浄により表面に小さな傷が付いてしまった自社の食器を回収し、再びカラーリングを施した。ニッコー株式会社がホテル食器のリカラーを実施するのは今回が初めて。

株式会社博報堂の行った2022年の「生活者のサステナブル購買行動調査」によると、「長く使えるものを買う」と答えた生活者は全体の90.8%にのぼる。また、「すぐに新品を買い直さず、まだ使えるものは修理して使う」という回答者が77.7%、「資源をムダづかいしないように気を付けて買う」と答えた人も75%にのぼり、多くの人に “一つのものを大切に長く使う”という考え方が浸透していることがわかる。

安価な食器を頻繁に買い替えることで綺麗な状態に保つより、THE THOUSAND KYOTOのように、手直しを行いながら一つのものを長く使う方が、より多くのお客さまの共感を呼ぶことができそうだ。

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【参照サイト】 捨てられる食器をカラーリングで再生する「リカラー」を実施
【参照サイト】 博報堂「生活者のサステナブル購買行動調査2022」レポート

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