昆虫食は、肉食に比べて生産時の環境負荷が少なく、栄養価が高いことから、環境意識の高い欧米を中心に注目を集めている。日本でも、2020年5月に無印良品が「地球にやさしい未来食」として、コオロギの粉末入りの「コオロギせんべい」を発売したことが大きな話題となった。

株式会社日本能率協会総合研究所の行った調査によると、2025年度世界の昆虫食市場は、約1,000億円となる見込みだ。今後、世界的に食用昆虫の養殖に注力する企業が増加し、昆虫食の更なる普及が予想されている。

そうしたなか、昆虫食品の製造、販売、飲食店営業をおこなう昆虫食専門の企業「TAKEO株式会社」は、2021年10年1日、東京・浅草エリアに昆虫食の駅「TAKE-NOKO」をオープンした。
昆虫食の駅は、昆虫食品や昆虫グッズの買い物や昆虫食カフェでの飲食に加え、昆虫食に関する本を読みながら情報収集もできる“道の駅”のような、昆虫食に特化したリアル店舗だ。築60年の古民家は、趣のあるむきだしの梁と、落ち着いた和の雰囲気が特長。
店内は最大10席が設けられており、ゆったりと買い物やカフェメニューを楽しむことができる。

メニューは、「めっちゃタガメサイダー」や「こおろぎアイスもなか」などの店舗限定のドリンクやスイーツの他、土日祝日限定で「京都こおろぎのペペロンチーノ」などフレッシュな昆虫を使った軽食も提供する予定だ。

買い物コーナーでは、「国産昆虫シリーズ」「ハードバグ」などのTAKEOのオリジナル商品をはじめとした、多様な昆虫食品を実際に手に取りながら買うことができる。アウトレット品や試食も用意しているという。
また、虫に関わる作家の作品も常設展示・販売しており、今後は作家や昆虫食の関係者によるワークショップなどのイベントも計画している。

TAKE-NOKOのように、昆虫食を楽しむコンテンツが誕生する一方で、昆虫が苦手で「食べるなんてとんでもない」と感じている人も多いかもしれない。
しかし、今後市場が拡大し成熟していくことで、工夫を凝らした様々な昆虫食品が誕生するはずだ。既に世界では、昆虫食への抵抗感を和らげるため、プロテインバーやチップスなどのスナック菓子、パン、ハンバーグなど、昆虫の原型をとどめない形態の商品が次々に展開されている。多くの人が無理なく、昆虫食にチャレンジできる日も近いかもしれない。

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【参照サイト】 TAKEO株式会社
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table source 編集部
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table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆さまに向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
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