2021年10月に地球温暖化対策計画の改訂が閣議決定された。大きな変更点は、2030年度における温室効果ガス排出量を2013年度比で26%削減目標としていたところが、46%に引き上げられたことだ。これにより、企業の対策が急務となった。
そうしたなか、2021年12月に、一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)は、食事メニューのレシピをもとに21品目のカーボンフットプリント(CFP)を算出した「炭素版カロリー表」を公開した。
SuMPOは地球環境問題など、社会課題解決に繋がる新たなビジネスモデルの企画、実行、評価、改善等の支援を通じて持続可能な事業経営の実現を目指すために設立された。「炭素版カロリー表」は、カーボンニュートラル実現に向けたアクションの一つだ。人間の健康バロメータである食物カロリーと同様に、地球の健康バロメータとして「炭素(CO2)」を可視化することで、誰もが生活の中で触れ、実感し、意識できるようになることを目的としている。
今回、CFPの算出にあたっては、製品・サービスのライフサイクル全体における環境負荷を定量的に評価する手法であるライフサイクルアセスメント(LCA:Life Cycle Assessment)手法が用いられている。また、現在90品目の算定をしており、年内には100品目まで算定予定だという。
イギリスFoodSteps社のカーボンラベルのように、海外ではすでに食品や食事メニューの気候変動への影響度を示す計算ツールは開発・公開されている。一方で、日本ではこれまで信頼あるデータや計算ロジックに基づく計算結果は公開・流通されていなかった。飲食店が率先してカーボンフットプリントを表示していくことで、消費者が目を向けるきっかけになるのではないだろうか。
【参照サイト】SuMPO レシピ de カーボンフットプリント(炭素版カロリー)
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