環境負荷の低減につながる「循環経済型サブスク」が増加。最新の調査で約40%に迫る認知度

価値観やライフスタイルの変化に伴い、社会の消費行動は多様化している。モノを購入して所有するのではなく、共有することも選択肢のひとつだ。

なかでも新たな消費モデルとして、サブスクリプション・サービス、いわゆるサブスクの市場が拡大している。

サブスクでは、商品やサービスを一定期間、定額で利用できるところが特徴だ。通常購入よりも価格が安くなったり、高品質の商品を気軽に試せたりと、消費者にとって利用するメリットは大きい。同時に、サブスク利用によって廃棄物の削減やリサイクルが促進されれば、環境負荷を低減させる効果も期待できる。こうした、環境負荷の低減が図られる“循環経済型のサブスク”は、持続可能な社会を実現するうえで重要な役割を果たすといえるだろう。

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実際に、循環経済型サブスクのサステナブルな可能性に着目した調査が行われている。社会・公共領域をテーマとした調査研究を行う「株式会社インテージリサーチ」は、2020年7月31日から8月3日にかけて、インターネット調査で「サブスクリプション・サービスの認知度、利用意向に関する意識調査」を実施。循環経済型サブスクの10分野(※)について、認知度や利用意向、および利用のメリットに対する人々の意識を調査した。

(※)10分野は「衣料品」、「服飾品(バッグ、アクセサリーなど)」、「家具」、「家電」、「自動車」、「グルメ(飲料、食料)」、「花」、「美容、コスメ」、「子ども用品(ベビーカー、玩具など)」、「日用品(洗剤、シャンプーなどの容器リユース)」

サブスク

調査の結果、循環経済型サブスク10分野の認知度は38.4%で、利用率は14.6%に留まった。一方で、サブスク利用者間における今後の継続・利用意向は、75.6%と高い傾向だ。つまり、未利用者が循環経済型サブスクを体験する機会さえあれば、継続利用へと促すこともできるだろう。

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また、サービスの分野によっては、実際に利用している人が利用していない人に比べ、環境負荷の低減というメリットを2倍高く感じていることが判明した。環境意識の高い消費者ほど、サブスクを提供・導入する企業に関心を持ちやすいと考えられる。

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近年では、消費者のニーズに応じてさまざまなサブスクが誕生している。例えば食器や家具、店舗の内装やトイレットペーパーなどのサブスクは、ホテルや飲食店でも活用できる。

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飲食店やホテルでサブスクを導入することで、コスト削減だけでなく、資源の有効活用にもつながる。また、こうした環境に配慮した取り組みを消費者に周知することで、他店との差別化も図れるだろう。サブスクを導入して経営面のメリットを確保するとともに、環境負荷の低減に貢献してはどうだろうか。

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【参照サイト】 循環経済型「サブスク」で変わる?環境負荷の低減 ~認知度40%・利用率15%でも、利用者は高い意識~

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