2021年8月23日より、スターバックスは店舗での食品ロス削減を目的に、在庫状況に応じてドーナツやケーキなどをディスカウントし、売上の一部をNPO法人に寄付するプログラムを開始した。
スターバックスは、2020年1月にリソースポジティブカンパニーの実現を掲げ、2030年までに店舗などから出る廃棄物50%削減を目指すと宣言している。現在、スターバックスの店舗から排出される食品廃棄物の約7割はコーヒーを抽出した後の豆かすが占めている。豆かすはリサイクルして堆肥にし、野菜を栽培してフードメーニューに加えるなどしていた。一方で、廃棄量の約15%を占めるのが期限切れフード。廃棄する行為には常に違和感を覚えていたという従業員の声もあり、「食品ロス削減」は課題だった。
そうしたなか、スターバックスは2021年8月23日より、店舗での食品の廃棄を極力減らすプログラムをスタートさせた。閉店3時間前をめどに、ドーナツやケーキ、サンドイッチなどのフードを20%OFFにて販売することで食品ロス削減を目指すというものだ。
対象商品はフードケース内の商品とし、ヨーグルトやキッズドリンク、水など一部の商品は対象外となる。当日の各店の在庫状況に応じて、実施有無・開始時間が異なるため、プログラム実施中は、「SAVE FOOD」のポップを掲示する。
リソースポジティブカンパニーの実現に向けては、店舗を構えるコミュニティに対してポジティブな影響を与えられる活動を続けることも宣言している。このプログラムによる売上の一部も認定NPO法人全国こども食堂支援センターむすびえに寄付し、地域に貢献するとしている。
農林水産省によると平成30年度の食品ロス量推計値は、600万トンとなり前年度より12万トン減少していた。その内訳は事業計食品ロスが4万トン、家庭系食品ロス量が8万トンと飲食店だけでなく食費者の意識も大きく変化していることがわかる。消費者を巻き込んだ、スターバックスのプロジェクトが全国に浸透することを期待したい。
【参照サイト】スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社|プレスリリース
【参照サイト】社会の課題と誠実に向き合う。フードロス削減への挑戦
【関連サイト】むすびえ – NPO法人 全国こども食堂支援センター