アメリカのスターバックス、従業員の奨学金返済管理をサポートするプログラムを開始

サステナブルな取り組みを積極的に展開していることでも知られる、スターバックス。2022年9月19日、アメリカのスターバックスでは、米国従業員への福利厚生の一環として従業員の貯蓄をサポートするプログラムを開始した。「パートナー」と呼ばれる従業員の経済的安定による幸せのために、貯蓄と奨学金返済の債務という2つの分野に関して支援するためのもの。

同プログラムは、有意義なパートナー体験とスターバックスのより良い未来を共同創造するため、何千回にも及ぶパートナーとの会話から得た情報に基づいて導入されたもの。パートナーの負債や貯蓄など、彼らに重くのしかかっている経済的課題の解決につながる措置だ。

具体的には、アメリカの投資信託の販売・運用会社「Fidelity」との協働により、対象となるパートナーが不測の事態に備えて貯蓄するための新しい方法「My Starbucks Savings」を導入。奨学金返済に関しては、返済を管理・最適化できるよう、教育支援ベネフィット・プラットフォーム「Tuition.io」を導入する予定だ。このツールは対象者やその家族が負債を管理するため、個人の返済シナリオと目標に基づいて取るべき最適な方法を見つけられるようサポートするものだ。

関りの深いSDGsの目標としては、8番目の「働きがいも経済成長も」がある。誰もが労働者としての権利を守られるほか、働き甲斐のある仕事を通し、経済的に豊かになっていくことを掲げている。今回のスターバックスの取り組みは、これらの目標に沿って従業員を支援するものと言える。

チーフパートナーオフィサーであるサラ・ケリーは、「パートナーや彼らの目標に投資することは、スターバックスの成功にも投資することになるだろう」と述べている。

日本でも、年間平均給与額が30年近くも横ばいであることが深刻な課題となっており、2019年時点で152,000人が奨学金を延滞しているという現状がある。コロナ禍で過大な影響を受けた飲食業界において、まだ立て直しの過程という店舗も多いなか、従業員に向けてのセーフティーネットとなり得るような福利厚生を打ち出すのは難しいかもしれない。今すぐとはいかなくても、第一線で働く従業員が気持ちよく安心して働くことのできる環境作りは、飲食店や業界の明るい未来に向けてのカギとなるだろう。

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【参考サイト】 Starbucks Announces Student Loan Management and Savings Programs to Support Partner (Employee) Financial Well-Being
【参照サイト】 令和元年度奨学金の返還者に関する属性調査結果

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