取り組み1年後の成果は?スターバックス、店内でのグラス導入のその後

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地球温暖化に伴う気候変動や大気汚染、海洋汚染など、年々深刻化する環境問題。その解決に向けた努力は、世界共通の課題だ。消費者の環境保護に対する意識が高まるなか、エコやサステナビリティを重視する企業も増えている。

一方で、企業は自社の取り組みをグリーンウォッシュと誤解されないように注意しなければならない。グリーンウォッシュとは、「実態とは伴わない取り組みにもかかわらず、環境に配慮していると見せかける」マーケティング手法のこと。意図的ではなくとも消費者に誤った情報を提供すれば、該当企業のみならず、サステナブルな企業活動全般に不信感を抱かせてしまう。

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グリーンウォッシュと誤解されないために、具体的な目的や成果を公開したり、計画の実行可能性を示したりすることが重要だといわれているなかで、コーヒーチェーン「スターバックス」を日本国内で展開する「スターバックスコーヒージャパン株式会社」の透明性のある取り組みに注目が集まっている。同社はリソースポジティブカンパニーを目指し、「2030年までにCO2排出量、水使用量、廃棄物量50%削減」のコミットメントを掲げている。

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スターバックスでは2023年3月末以降、店舗から出る廃棄物削減を目的として、店内アイスビバレッジ用の樹脂製グラス導入を進めてきた。まず2023年2月に、東京・丸の内と銀座エリア、京都、静岡などの約100 店舗で先行導入。その後3月27日より順次拡大し、現在は全国の約1,800店舗で提供している。

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2024年3月24日には、進捗報告として店内アイスビバレッジ用の樹脂製グラスの導入から1年で、使い捨てカップやリッド(蓋)など約482トンの廃棄物削減につながったと発表。当初は1年で約100トンの廃棄物削減を見込んでいたことから考えると、目標を大きく上回る成果となった。

また、スターバックスの店舗でアイスビバレッジ用樹脂製グラスを使用することにより、使い捨てカップで提供し続ける場合と比べて、水使用量や二酸化炭素排出量についても大きな削減効果が出ているという。

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さらにスターバックスは、リユース率向上などを目的とした“店長留学”を2023年12月から不定期で実施している。

留学先となるのは、東京都千代田区にある「スターバックス コーヒー 皇居外苑 和田倉噴水公園店」。同店舗は、環境配慮型店舗の国際認証「Greener Stores Framework」を取得した「グリーナーストア」の国内1号店で、マグカップやグラスの利用割合を示す店内リユース率は、約8割に上る。この店舗へ、丸の内や大手町、銀座エリアなど近隣店舗の店長が店長留学する。店長たちは留学先の店舗で約3時間働きながら、利用者のニーズや提案方法について学ぶ。そして、留学で得た知見や経験を従業員同士で共有し、自店舗へ還元していく仕組みだ。

この留学前後では、店内リユース率が10ポイント以上アップした店舗もあるという。2024年3月時点で50人ほどが留学を経験しており、同社は今後、さらに対象店舗を広げたいとしている。

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今回のスターバックスの発表では、取り組み開始から1年を区切りとしてその成果を公表している。こうした発信は、取り組みの信憑性や企業全体の信頼を深めることにもつながるだろう。

世間にグリーンウォッシュとみなされた場合、例え誤解であっても、失った信頼を取り戻すためには多くの労力や時間、お金がかかる。消費者のサステナリビティに対する意識が高まるなか、「透明性のある明確な発信」は今後ますます重要視されるだろう。

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グリーンウォッシュと誤解されないためには?押さえておきたい5つのポイント

【参照サイト】 店内アイスビバレッジ用の樹脂製グラス導入から1年 使い捨てカップなど1年で計約482㌧の廃棄物を削減
【参照サイト】 繰り返し使える店内グラス本格スタート。3月末の全国1,500店舗導入に先駆け、2月20日(月)から約100店舗で提供。

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table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆様に向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
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