近年、「インクルーシブ(inclusive)」という言葉を見聞きする機会が増えてきた。インクルーシブとは「包括的な」「すべてを包み込む」などを意味することから、「あらゆる人が排除されない状態」と解釈できる。つまり、国籍や年齢、性別、さらに障がいの有無に関わらず、互いを認め合い共生できる環境こそがインクルーシブを体現しているのではないか。
そうしたインクルーシブな社会を目指して活動しているのが、「ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ株式会社」だ。
ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ株式会社では、国内に15のホテルブランドを展開し、全国各地で44のホテルを運営。「街と共に、お客様の人生をより楽しく、より豊かに」をミッションに掲げ、サステナブルな社会・街の実現に取り組んでいる。これまで、街と共に<社会を守る><環境をより良く><生きる>というテーマごとに、地域創生やプラステチック排出の削減、グローバル人材の採用、女性が活躍できる環境づくりなどを実践してきた。
2022年10月には、同社の運営する「ロイヤルパインズホテル浦和」に「SDGsアートギャラリー」を開設。ここでは障がい者アーティストによる作品や、廃材を使用したアート、ホテルの地元である埼玉県に所縁のある作品などを定期的に入れ替えながら展示している。
そして2024年10月1日より、神奈川県横浜市にある「ザ・スクエアホテル横浜みなとみらい」に新たなSDGsアートギャラリーが設置された。ホテル最上階の20階にあるレセプションスペースにて、「アート・メープルかれん」で創作活動を行うアーティストの作品を展示。さらにこちらでは、絵画から手織り、刺繍に至るまで多彩な展示作品を実際に購入することもできる。
社会福祉法人かれんが運営する「アート・メープルかれん」は、神奈川県横浜市の東急東横線・大倉山駅近くにある福祉事業所だ。「障がいのある人たちがなんの違和感もなく街で働き、街で暮らすこと」が街・社会のあり方だと考え、創作活動を中心に、それぞれ自分の好きなものや世界観を表現できるように支援している。「アート・メープルかれん」では企画展や展覧会、公募展を通じて、作品を発表する機会を積極的に提供。また、完成したアートを様々な製品に加工し、販売もしている。
今回新設されたSDGsアートギャラリーは、ホテルのコンセプトである「人と街をつなぐスクエア」として、感性豊かな作品に触れられる場所となるだろう。さまざまな人が訪れるホテルだからこそ活きる取り組みだ。
同時に、アートギャラリーで展示作品を販売することで、障がい者の創作活動をよりいっそう促す効果も期待される。
「インクルーシブ(inclusive)」という言葉は、SDGsの目標の中でもいくつもの項目にわたって使用されている言葉で、持続可能な社会に相通じる理念をあらわす言葉のひとつでもある。ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ株式会社の取り組みのように、多様な個性が認められる土壌を構築していくことが、インクルーシブな社会実現の起点になりそうだ。
【参照サイト】ソラーレホテルズ『SDGsアートギャラリー』を「ザ・スクエアホテル横浜みなとみらい」に新設
【参照サイト】多様な個性が認められる社会を目指すソラーレホテルズ『SDGsアートギャラリー』を新設
【参照サイト】SDGs│ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ株式会社
【参照サイト】講談社:インクルーシブとは? 社会を包み込む理念からSDGsの実現へ|SDGsにまつわる重要キーワード解説