アートのまち大阪・北加賀屋。サステナブルなショップ&カフェが集う複合施設が誕生

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今、大阪市住之江区にある「北加賀屋」が、アーティストやクリエイターが集う「アートなまち」として生まれ変わりつつある。

大正時代には造船のまちとして栄えた北加賀屋だが、産業構造の変化にともない造船所の転出が進み、空き工場や空き家が増加。近年では、それらの遊休不動産を解体することなく活用し、アーティストやクリエイターがアトリエやオフィスを開設・運営するなど、「芸術・文化が集積する創造拠点」として、アートを切り口とした持続可能な地域活性化が進んでいる。

エリア内には、ウォールアートや立体作品など多くの作品が点在。元工場を活用した大型現代アート作品の収蔵庫「MASK(MEGA ART STORAGE KITAKAGAYA)」をはじめ、文化住宅をリノベーションしたまちの文化複合施設「千鳥文化」、空地を公園に整備したキタイチパークなど、地域全体で取り組みを行っている。

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そして2024年8月9日、この北加賀屋に新たな複合施設「SMASELL SUSTAINABLE COMMUNE(スマセル サステナブルコミューン)」がオープンする。

鉄工所跡地の廃工場をリノベーションしたSMASELL SUSTAINABLE COMMUNEには、衣・食・住にまつわるサステナブルなブランドが集う。同施設は、「ファッションをもっと楽しく持続可能なものに」することをテーマとしたオンラインのアウトレットモール「SMASELL(スマセル)」を運営する「株式会社ウィファブリック」によって開業され、ファッション、インテリア、コスメ、フード、アート、音楽などさまざまなカテゴリーのサステナブルな商品が並ぶ。

また、ショッピング以外にも、廃車になったロンドンバスをリノベーションした「SMASELL CAFE(スマセル カフェ)」で飲食を楽しむこともできる。多角的なサステナビリティに取り組んでいることで知られるイタリアンレストラン・BOTTEGA BLUEをはじめ、“持続可能な食”にこだわる店舗が飲食を提供する。
【関連記事】 気付いたら食品ロス「ゼロ」に。兵庫芦屋のイタリアンBOTTEGA BLUE

購入するごとに毎回、希望するNGO団体(森林保全団体・戦地の難民支援・地震の被災地支援など)に100円を寄付できる仕組みも。

  • SMASELL SUSTAINABLE COMMUNE/スマセル サステナブルコミューン
  • 開 業:2024年8月9日(金)
  • 住 所:〒559-0011 大阪市住之江区北加賀屋5丁目5ー26
  • 営業日:金土日祝(11:00~20:00)
  • ショップリストはこちら

 

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このSMASELL SUSTAINABLE COMMUNEには、table sourceを運営する「ニッコー株式会社」も出店しており、素材や形状、デザインなどの様々な切り口から “長く使える”ことを目指して開発した、さまざまな食器が並ぶ。

店舗では、創業100年以上の歴史を持つニッコーが、これまで生み出してきた洋食器のアーカイブの中からいつの時代でも使い続ける事のできるアイテムを選抜したコレクション「REMASTERED(リマスタード)」も販売。

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(左)#Single use Planet カップ、(右)BONEARTH

また、プラスチックの使い捨て(Single use Plastic)をできる限り減らし、一つしかない地球(Single use Planet)を大切にしていくことを呼びかける「#Single use Planet (シングルユースプラネット)」の陶磁器製マグカップ、捨てられる食器から作られたサステナブルな肥料「BONEARTH(ボナース)」など、サステナビリティにこだわった商品を展開している。

また、同店舗では、石川県のニッコーの倉庫にあったスチールラックを商品棚として再利用。ニッコーでは、今回の出店を通し、さまざまなシェフやアーティストの方々とコラボレーションをするなど、今までにない新たな切り口から「食」を取り巻くサステナビリティの発信を目指している。

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SMASELL SUSTAINABLE COMMUNEを運営する、株式会社ウィファブリックの代表・福屋剛氏は、ニッコー株式会社の出店について「サーキュラーエコノミー(循環経済)をはじめ、さまざまな取り組みを実践していることを知り、そのどれもが本質的だと感じました。また、メーカーとしてそうしたサステナビリティを既に『ものづくり』として形にし、実際に販売もしていたことも、一緒にやってみたいと思った大きな理由です。」と話す。

また福屋氏によると、オープン後の施設内では、毎週末にミュージシャンやDJによるライブイベントを開催予定だという。その他にも、インフルエンサーによる古着のフリーマーケットや、サステナブルアートのワークショップ、サステナブルブランドによるPOPUPストアのオープンなど、さまざまなイベントも企画されており、「モノとコトが循環し、訪れてくださるお客さまや地域、地球環境に循環し還元できるようなお店を目指します。」としている。

サステナブルなアイテムを販売するだけでなく、さまざまな体験やコミュニティの場として育てていくことで、今後幅広い人たちが楽しみながら環境・社会課題に向き合うことができるだろう。北加賀屋というクリエイティビティ溢れるまちで、今までにない新たなアイデアが展開していくことを期待したい。

【参照サイト】 SMASELL SUSTAINABLE COMMUNE
【参照サイト】 大阪・北加賀屋でアートによるまちづくりを推進する千島土地(株)が、廃棄芝生をリユースした公園「キタイチパーク」をOPEN!
【参照サイト】 洋食器のNIKKO、SDGsを体験できる複合型店舗・SMASELL SUSTAINABLE COMMUNEに出店決定

table source 編集部
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table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆さまに向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
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