このままのペースで世界の人口増加が続けば、いずれ人々に必要な栄養分が足りなくなる可能性があると言われている。こうした食糧危機の備えとして「昆虫食」に注目が集まっている。昆虫には栄養が豊富に含まれており、国際連合食糧農業機関(FAO)の報告書によると、生の状態100グラムあたりのタンパク質の含有量は、牛が19~26グラムであるのに対し、バッタは35~48グラムと上回る。

そうしたなか、2021年12月に蚕(かいこ)の研究や商品開発を行うエリー株式会社は、蚕専門の食品ブランド「SILKFOOD」より、「 かいこプロテインスムージー」2種類を同時に発売した。現在、同社のオンラインショップにて数量限定で販売中だ。

発売されたのは、1食分の野菜と蚕由来のタンパク質も摂取できる「SILKFOOD かいこプロテインスムージー グリーン」と、1日分のフルーツと蚕由来のタンパク質も摂取できる「SILKFOOD かいこプロテインスムージー フルーツ」の2種類。いずれも大正製薬株式会社の主催するオープンイノベーションプログラム「大正製薬アクセラレーター2019」への参加を機に、同社と大正製薬が共同で研究開発を進めてきた商品だ。

蚕はタンパク質を中心に、人間に必要な62種類の栄養素が豊富に含まれている。また、成長が早く省スペースで飼育できるなど生産効率の良さも特徴だ。味は、蚕は落花生やナッツに似た風味で食べやすいという。

昆虫は温室効果ガスの排出量が少ないことでも知られている。国際連合食糧農業機関(FAO)によると昆虫は、豚や牛などと比較して温室効果ガスが、およそ100分の1と低いことが示されている。食糧危機だけでなく気候変動問題にも有効だといわれている昆虫食だが、抵抗を感じる人も少なくない。プロテインやスムージーのように姿形が残らないドリンクメニューから取り入れてみるのもいいかもしれない。

【参照サイト】蚕(かいこ)専門の昆虫食スタートアップがプロテインスムージー2種限定販売開始【大正製薬株式会社のアクセラレータプログラムにて発案】
【参照サイト】エリー株式会社
【参照サイト】『SILKFOOD(シルクフード)』とは

table source 編集部
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