SDGsの浸透で、サステナブルな取り組みに焦点が当たりがちな昨今。環境に配慮した取り組みをメインにすると、味や品質は二の次に捉えられがちではないだろうか。

東京や上海はじめ国内外でカクテルバーを運営するSG Groupは、廃棄物ゼロを目指す「zero-waste(ゼロウェイスト)」をコンセプトとした新店、zero-waste cafe & bar 「æ(アッシュ)」を「ごみゼロの日」の2022年5月30日、渋谷・神南にオープンした。世界で共通する品質と、持続可能な取り組みの両立を目指している。

SG Groupはバーの枠に留まらない新コンセプトのバーを企画、運営するバーカルチャーカンパニー。世界で数々の受賞歴を持つバーテンダーでありファウンダー後閑信吾氏のもと、コンペティションで実績あるバーテンダーが多数活躍している。今回はバリスタチャンピオンの石谷貴之氏をパートナーに迎え、サステナブルでありつつ、世界トップレベルのコーヒーとコーヒーカクテルを提供する新しいチャレンジをスタートした。

同店の取り組みは仕入れからオペレーション、メニューまでの全工程において、ごみになり得るものを限りなくゼロに近づけていく試み。例えばカフェで最も多いという廃棄物であるコーヒーかすは、三浦半島の青木農園で肥料化。収穫した野菜をメニューに取り入れ、かす自体をカクテル材料として活用するなど、循環させる工夫がされている。

ほかにもコーヒーカップやソーサーには、老舗洋食器メーカー「ニッコー株式会社」が石川県の自社工場で製造するファインボーンチャイナ製の商品を。今後、店舗で破損した食器をニッコーの開発した植物の肥料「BONEARTH(ボナース)」としてリサイクルできるよう準備を進めている。また、店舗の内装には廃棄デニムを使った壁面素材が使用されているという。

世界品質が自慢のドリンク、カギとなるコーヒー豆は石谷バリスタが監修する「æ」オリジナルブレンドを使用。年間を通してブレない美味しさを提供するためにあえてブレンドを採用した。メニューには店舗のコンセプトに沿ったカクテル「Zero-Waste Classics」が登場。SG Groupの各バーで出る副産物や、一度抽出した素材を活用した「æ」オリジナルの一杯だ。

カヌレには、コーヒー豆の生産時に捨てられてきた果肉部分「コーヒーチェリー」を使用

メニューをはじめ、空間からスタッフのユニフォームに至るまで、随所にゼロウェイストの工夫が散りばめられた「æ」は、同会社の新しい試みと言える。すでに世界レベルのカフェ・バーを展開しているSG Groupだからこそできる、品質と共存する、環境に配慮したゼロウェイストな取り組みに期待したい。

【参照サイト】zero-waste cafe & bar「æ」(ash) 5月30日 渋谷にグランドオープン!
【参照サイト】SG Group
【参照サイト】Facebook「Ash」

table source 編集部
table source 編集部
table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆さまに向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
Share
This