南伊豆の漁師が、市場に出回らない「未利用魚」を美味しく活用する商品プロジェクトを開始

法人企業の営業支援やPR支援を行うSENA株式会社は2021年5月25日、株式会社南崎漁師倶楽部と株式会社食STORYの2社とタッグを組み、南伊豆で獲れる未利用魚ブダイを使った商品開発プロジェクトに取り組んでいると公表した。

「未利用魚」とは漁で捕られた魚のうち、大きさがバラバラだったり、一定の出荷量が揃わなかったりすることが理由で、一般の市場には出回らずに捨てられたり、地域のみで消費されたりする魚のことをいう。伊豆では、伊勢海老漁で獲れる地魚のうち約8割がブダイだが、そのほとんどがこれまで未利用魚となっていた。

今回のプロジェクトのきっかけとなったのが、SENAが開催している地域企業の社長と全国の各種クリエイターをマッチングするオンラインイベント「スポカン会議」だ。そこで、南崎漁師倶楽部の平山社長から「伊勢海老漁で一緒に獲れる地魚が、未利用魚となる現実を変えたい、もっと多くの人に食べてもらいたい」という課題があげられた。

スポカン会議後、未利用魚の中でも一番多く獲れるブダイを商品化することが決定。そこから、チーム食STORYを中心に「ブダイを美味しく、手軽に食べてもらうために」をテーマに食べ方が検討され、南伊豆での試食会も複数回実施された。

そして生まれたのが平山社長が「津本式」で下処理してフィレにしたブダイと、美味しく手軽にたべられる専用レシピだ。津本式とは、宮崎県の津本さんが開発した、魚の鮮度を保ち、臭みを消し、うまみを引き出すために考えつくされた下処理方法のこと。レシピは魚をさばけない人や、面倒だという人、どう料理するか分からない人にも簡単に作れる内容になっている。

平山社長が津本式で下処理してフィレにしたブダイ

食材としては十分利用できるのにもかかわらず、商品として価値がなかったため、活用されていなかった未利用魚。こうした魚に新しい活路が見出せれば、地域の活性化とともに水産資源の有効活用にもつながるはずだ。

なお、本プロジェクトは6月30日までクラウドファンディングを実施している。興味のある方は、立ち寄ってみてはいかがだろうか。

【参照サイト】「未利用魚」問題に、南伊豆の漁師が立ち上がった!!クラウドファンディングに挑戦中

table source 編集部
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