捨てられる牡蠣の貝殻から生まれたスーツ。青山商事が発売

sea wool

海の幸として人気の高い牡蠣。その牡蠣を食べた後に出る貝殻は、埋め立てられたり海や河川に捨てられたりするなど、毎年大量に廃棄されている。SDGsの目標達成に向けて、世界中で廃棄物削減の動きが進んでいる昨今、牡蠣の貝殻ごみ削減も取り組むべき課題のひとつだ。

また同時に、大量生産・大量消費による廃棄量の増加が問題視されているものに、衣類が挙げられる。環境省が2020年12月から2021年3月にかけて実施した調査によると、ごみとして廃棄された衣類の95%が焼却・埋め立て処分されており、その量は年間で約48万トンにも及ぶという。

持続可能な社会を実現するには、生活に身近な衣食住に関して、従来の消費サイクルから循環型に転換する工夫が重要となるだろう。

そうしたなか、紳士服販売チェーン「洋服の青山」を展開する「青山商事株式会社」は、牡蠣の貝殻から生まれたサステナブルな素材「SEA WOOL(シーウール)」を使用し、レディーススーツを初めて企画。2024年3月14日より、洋服の青山の主要230店舗、および公式オンラインストアにて販売開始した。

SEA WOOLとは、通常廃棄されてしまう牡蠣の貝殻を活用した機能的なファブリックだ。まず、調味料や冷凍食品に加工される台湾産牡蠣の貝殻を回収し、特殊技術によってナノサイズの粒子に変える。その粒子を、ペットボトルをリサイクルしたポリエステル繊維に付着させることで、ウールのように滑らかな風合いの素材ができるという。

さらに、SEA WOOLはウールと混紡することでストレッチ性に加えて、防臭や防シワ、ウォッシャブル、UVカットといった機能性も付与される。また、スーツの裏地にも回収されたペットボトル由来のリサイクル素材を使用している。

今回発売されるSEA WOOL素材のスーツアイテムは、テーラードジャケット、テーパードパンツ、フレアスカートの3種類。サイズも5号から21号と豊富に展開されているので、自分に合ったスーツを選びやすい。日頃からスーツを着用している人はもちろん、初めて購入するフレッシャーズにもおすすめだ。

牡蠣の貝殻という廃棄物を資源として活用し、機能性にも優れたサステナブルなスーツ。スタッフがジャケットを着用している企業やレストランでは、サステナビリティ推進の一環として取り入れてみてはいかがだろうか。

長く使えるユニフォーム。色落ちせず塩素にも強く、製造時のエネルギー消費も削減

【参照サイト】 捨てられるはずの牡蠣の貝殻がスーツに変身!「SEA WOOL」素材を使用したサステナブルなスーツを3月14日に発売
【参照サイト】 環境省_サステナブルファッション

table source 編集部
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table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆さまに向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
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