2021年6月に「プラスチック資源循環促進法」が成立し、8月には削減対象となる12品目が公表された。同時に企業に求める対策も示され、飲食サービス業、宿泊業などを含む業種のうち年間5トン以上の使い捨てプラスチック製品を提供する事業者が義務化の対象となることが明らかになった。

そうしたなか、2021年11月に、株式会社 JR 東日本クロスステーション ウォータービジネスカンパニーは、同社が製造・販売する「From AQUA リターナブル瓶」が、ハイアット セントリック 銀座 東京の客室用ミネラルウォーターとして採用されたと発表した。

リターナブル瓶は使用後に、瓶を回収して中身をきれいに洗浄し、再び中身を詰め替えて商品化される。回収スキームが整った状況であれば瓶のまま何度も繰り返し使用することが可能だ。そのため、新たに容器を製造する原料やエネルギーを抑えることができ、また原料にプラスチックを使用していないことから環境に優しい容器といえる。

株式会社 JR 東日本クロスステーション ウォータービジネスカンパニーは、サステナブルな社会を実現するため、段階的にペットボトル商品のプラスチック使用量を減少させることを目指している。そうしたなか、リターナブル瓶が複数回リユース可能で環境に優しい容器であることに着目。従来からリターナブル瓶を使用したミネラルウォーターを販売しており、ホテルやレストランを中心に採用実績があったが、環境意識の高まりから、2020年度は問い合わせの数・出荷量ともに増加傾向だったという。そこで、2021年4月、エキナカを中心に展開しているacure<アキュア>のオリジナル飲料ブランド acure made <アキュアメイド> から、ミネラルウォーター「From AQUA」の業務用商品として「From AQUA リターナブル瓶」を発売した。

一方で、「ハイアット セントリック 銀座 東京」でも、地球温暖化対策の取り組みとして、お客さま提供用のミネラルウォーターの見直しを図っていたところだった。宿泊部長の田口徹哉氏によると、洗練されたデザインや、リターナブル瓶として回収のスキームが確立されており、リユースされてサステナブルな水の提供方法であることなどが採用の理由だったという。

旅行や出張でホテルを利用し、客室にあるミネラルウォーターをチェックアウトの際に持ち帰る人もいるだろう。一方で、環境への意識の高まりから、ペットボトルをできる限り使用せず、普段からマイボトルなどを持参する人も増えてきている。テイクアウト需要増などで飲食店の使い捨て容器に注目が集まっているが、飲料水などの客室備品についても容器の見直しが必要だ。

【参照サイト】使えば使うほど環境に優しいリターナブル瓶のミネラルウォーター「ハイアット セントリック 銀座 東京」のホテル客室に導入が決定
【参照サイト】持ち歩きたくなる水「From AQUA」から、持ち歩かない水が “瓶” で新発売。使えば使うほど環境に優しいリターナブル瓶を展開

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table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆さまに向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
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