近年、食を取り巻く社会問題を解決するとともに消費ニーズも満たす手段として、フードテックが関心を集めている。フードテックとは、生産から加工、流通、消費などへとつながる食分野の新しい技術及びビジネスモデルのこと。特に海外ではフードテックの活用が進んでおり、代替肉製品の市場開拓を促しているといえるだろう。
サステナブルなタンパク質源として期待される代替肉のなかには、菌由来のタンパク質「マイコプロテイン」をベースにしたものもある。

そうした代替肉のブランドとして知られるのがイギリスの「Quorn」だ。1960年代にマイコプロテインの開発を始めた同社は、1980年代から現在に至るまで世界各国で商品を販売している。Quornのマイコプロテインは、Fusarium venenatum(フザリウム・ベネナタム)という菌を利用して生産。
タンパク質含有量が高くて食物繊維が豊富なうえに、コレステロールを含まず、飽和脂肪酸が少ないところも特徴だ。また、巨大な発酵槽で培養するプロセスによって土地の占有率や水の使用量を抑えられるうえに、二酸炭素の排出量削減も見込めるという。
Quornではこうした代替肉商品をPRするため、2025年5月に「Mission Snack Swap(ミッション・スナック・スワップ)」と題した新たなテレビキャンペーンを開始した。キャンペーンでは、同社の豚、牛、鶏の人形たちが密かに肉ベースのスナックをQuorn製品にすり替えるミッションに挑戦する。
さらに、PRにトム・クルーズそっくりの人物を起用。マイコプロテイン代替肉のスナックが肉を使用する商品と味がそっくりということと、トム・クルーズのそっくりさんをかけたユーモラスな演出で話題となった。
彼は最新作「ミッション:インポッシブル」のプレミア上映に先立ち、Quorn製品を食べながらロンドン市内を歩き回った。通行人に声をかけられ、写真撮影に応じることもあったという。
またテレビと並行して、動画配信やSNS、プレスリリース、店頭など他のチャネルでもキャンペーンを展開していくという。なお親会社である「Monde Nissin」の業績は代替肉の需要減少で低迷していたが、Quornのスナック菓子事業の展開によって回復傾向が見られる。
動物キャラクターやトム・クルーズのそっくりさんが登場するキャンペーンは、代替肉製品をもっと気軽に、もっと楽しみながら取り入れてほしいというメッセージだ。
企業が消費者目線に立って宣伝に遊び心を加えることで、サステナビリティが「難しいもの」ではなく、「日常の中で無理なくできること」として定着する一歩となるのではないだろうか。
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【参照サイト】英Marlow Foods、子会社Quornのマイコプロテイン供給体制を構築 – Framtiden
【参照サイト】Quorn
【参照サイト】Quorn Launches “Mission Snack Swap” Campaign With Tom Cruise Lookalike – vegconomist – the vegan business magazine




















































