
2025年に入り、チョコレートの原料であるカカオ豆の価格高騰が連日報じられるようになった。その主な原因は、地球温暖化による気温上昇がカカオ豆の主要産地である西アフリカに深刻な影響を与え、不作が続いているためだ。
近年、消費者の環境や社会問題への意識が高まるなか、チョコレート業界が抱えるさまざまな課題にも注目が集まっている。その解決策の一つとして、フェアトレードをはじめとするサステナブルなチョコレートを選ぶ人が増えている。
チョコレート専門店による意識調査では、「一般的なチョコレートと比べて高価でも、途上国の農家に技術や環境整備の支援を行い、さらにフェアトレードで買い付けをされたカカオ豆で作られたチョコレートを欲しいと思いますか?」という質問に58.7%の人が「欲しい」と回答。「美味しさ次第では欲しい」と回答した37.0%と合わせると、95.7%もの人がエシカルなチョコレートに興味を持っていることが明らかになっている。
そうしたなか、サステナブルなチョコレートを使った「ショコラフェア」を開催しているのが「新宿プリンスホテル」だ。
今回のフェアでは、ホテル内の3店舗のレストランでサステナブルな「Minimal」のチョコレートを使用。2025年3月31日(月)までの間、各レストランのシェフが趣向を凝らした期間限定メニューを楽しむことができる。
今回のフェアで使用されている「Minimal」のチョコレートは、世界のカカオ産地を訪れ良質なカカオ豆から職人が一つ一つ手仕事で製造しているものだ。カカオは現地で発酵・乾燥作業の研究やレクチャーを行い、カカオ農家と一緒に高品質高単価に適うフレーバーの開発を行っているという。
カカオ産業のサステナブルな経済的自立を目指し、創業から一貫して、児童労働を行っていない農家から100%フェアトレード価格以上で、全てのカカオ豆を仕入れている。
また、2021年10月より、通常廃棄されてしまうカカオの殻”カカオハスク”(豆殻)を鶏のエサとして再利用する取り組みも行っているという。
新宿プリンスホテルでは、今回のショコラフェアの期間中「ザ・ステーション カフェバー」「和風ダイニング&バー FUGA(風雅)」「ブッフェダイニング プリンスマルシェ」の3店舗で「Minimal」のチョコレートを使ったメニューを展開する。

Minimalチョコレートレアチーズケーキプレート
Minimalチョコレートレアチーズケーキプレート
【店舗】ザ・ステーション カフェバー(B1)
【期間】~2025年3月14日(金)
【料金】¥2,800
「Minimal」のチョコレートレアチーズケーキを使用したプレート。まろやかな甘味と心地よい酸味のMinimalオリジナルのチョコレートに、ミルキーなクリームチーズとクッキーを合わせたレアチーズケーキは3つの素材の絶妙な調和を楽しめる。

ロブスター&ステーキディナー ~Menu au chocolat~ 苺ムース
ロブスター&ステーキディナー ~Menu au chocolat~
【店舗】和風ダイニング&バー FUGA(風雅)(25F)
【期間】~2025年2月28日(金)
コースのデザート“苺ムース”に「Minimal」のチョコレート「NUTTY-ビター」を使用。甘酸っぱい濃厚な苺ムースの味わいとチョコレートの甘さで上品な組み合わせを実現している。

ショコラオムレツ~Minimal ver.~
ショコラオムレツ~Minimal ver.~
【店舗】ブッフェダイニング プリンスマルシェ(B2)
【期間】2025年3月13日(木)~16日(日)
季節のブッフェテーマは「ストロベリー&ショコラコレクション」。スイーツだけでなく、フードにも苺とチョコレートを取り入れたメニューも。上記期間中は、ライブキッチンにて「ショコラオムレツ」に「Minimal」のチョコレート「NUTTY-ビター」をかけて提供される。
今回紹介した新宿プリンスホテルの取り組みのように、ホテル内の複数のレストランで共通してサステナブルな食材を使ったメニューを展開することで、ホテル全体としての姿勢を明確に打ち出すことができるだろう。もちろん、取り組むレストランの数が増えることでその分、課題解決に貢献することができる。
ゲストとしても、さまざまな切り口のメニューを楽しみつつ、チョコレートを巡る課題に向き合うことができそうだ。
【参照サイト】【新宿プリンスホテル】バレンタインデー・ホワイトデーに贈る華やかな期間限定特別メニュー「ショコラフェア」を開催
【参照サイト】 バレンタイン直前調査! 「エシカル」を聞いたことがある人、91%がエシカルチョコレートに興味あり!「一般より高価でもエシカルなチョコレートが欲しい」と思う人は53.4%!
【参照サイト】Minimal Chocolate UX note:サステナビリティ・アップサイクルへのブランドの向き合い方
【参照サイト】Minimalより、通常廃棄される「カカオハスク」を餌として再利用する、アップサイクルな取り組みでうまれたブランド卵「宝玉卵」を使った「カカオたまごのプリン」が4月1日から春限定で登場。