宿泊業のSDGsへの取り組みに、関心が高まっている。ノベルティ制作などを手掛けるアイグッズ株式会社が2022年1月に実施した調査によると、旅行者の71.1%が、環境に配慮している宿に好印象を持つと回答した。また、年に6回以上旅行をするリピーター層の74.7%が、環境に配慮した消費であるエシカル消費を意識すると回答。宿泊業が顧客満足度を向上するには、価格やホスピタリティに加え、環境配慮の取り組みにも注力する必要があることが明らかになった。
こうしたなか、プリンスホテルなどを運営する株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドは、日本ホテル協会が募集・選定している「社会的貢献表彰」において優秀賞を受賞したことを2022年4月13日に発表した。「社会的貢献表彰」は、一般社団法人日本ホテル協会が主催し、2019年から開催されている。新規性・先進性、効果・成果、継続性・持続性、展開性・発展性、社会的評価、の5つの観点から審査し、模範的な取り組みを表彰する。3回目となる今年度は、14会員ホテルから15件が応募。5会員ホテルに優秀賞、2会員ホテルに努力賞が授与された。
今回、株式会社西部・プリンスホテルズワールドワイドは、客室で提供するオリジナルミネラルウォーター「南魚沼のおいしい湧き水」の取り組みで優秀賞を受賞した。100%リサイクルペットボトル素材を使用し、ラベルもなくすことで、ごみ削減に貢献。客室で使用後のペットボトルを回収し、再資源化工場でペットボトルに再生する「水平リサイクル」も実現した。2021年12月より都内ホテルで開始したこのシステムは、今後全国で展開予定だ。
同社では各ホテル毎にも、様々な活動に取り組んでいる。LED照明機器や電気自動車などの省エネルギー設備の導入や、太陽光や水力発電、温泉地熱などの再生可能エネルギーの活用をはじめ、食品廃棄物の肥料への再利用や、排水や雨水の再活用も行っている。さらに、使い捨てプラスチック製ストローの廃止、連泊時の客室清掃不要の提案による水質汚染低減など、取り組みは多岐に渡っている。
他にも、絶滅危惧種の保護保全活動や、自治体や環境団体への寄付等、地域との連携を図った取り組みも実践しているという。同社の幅広い取り組みの数々は、宿泊業の今後の在り方に、多くのヒントを与えてくれそうだ。
【参照サイト】 プラスチックごみ削減の取り組みが評価され、日本ホテル協会「社会的貢献表彰」優秀賞を受賞
【参照サイト】 「環境に配慮している」宿、71%が好印象と回答 ホテル旅館に対する旅行者意識調査
【参照サイト】 環境に配慮しているホテル旅館、71%が好印象と回答。旅行者の意識調査で明らかに
【参照サイト】 日本ホテル協会 会員ホテルの社会的貢献に対する会長表彰について