植物工場野菜の新ブランド「INDOOR」誕生。環境負荷の軽減と安定供給を実現

気候変動や地球温暖化といった環境問題は、自然災害を引き起こす要因のひとつだ。内閣府の調査によると1970年から2008年の間、自然災害の発生により全世界で毎年平均1億6000万人が被災、約10万人が死亡し、400億ドル以上の被害額が出ているという。

当然ながら、干ばつや洪水などの異常気象が多発すれば、農作物の生産にも悪影響を及ぼす。その結果、安定して食糧を供給できなくなり、飢餓や貧困も深刻化しかねない。近年では世界的に、気候変動への対策と併せて、SDGsの12番目の目標「つくる責任、つかう責任」に基づく持続可能な消費サイクルを確立することが求められている。

そうしたなか、「株式会社スプレッド」は、“未来への食づくり”として持続可能性と健康的な暮らしを実現する新ブランド「INDOOR」を設立。2024年3月より順次、植物工場野菜の商品を発売する。

現在、植物工場野菜は多くのスーパーマーケットで販売されており、需要も拡大傾向だ。そこで株式会社スプレッドでは、多様化する消費者ニーズに対応するべく、技術革新に着手。新たな技術をもとに、サステナビリティとウェルネスをテーマにした新時代の商品としてINDOORブランドを開発した。

INDOORは「人と地球に優しいから、続けられる。」をブランドコンセプトに掲げ、サステナブルな食の未来を「屋内=INDOOR」から届けることを目指している。ブランド開発にあたって特に重視したのが、新たな商品価値だという。これまでの植物工場野菜にはない価値を創出することで、自社商品の差異化を図っている。

今回発売される「INDOOR LEAF(インドア・リーフ)」は、200gの大株リーフレタス。野菜の価格が高騰するなかで、重量当たりの価格を従来品よりも低く抑えている。また、農薬を使用せず、Techno Farm自動化生産システムのクリーンな栽培環境と徹底した衛生管理によって生産されるため、洗わずに食べることが可能だ。

さらに、パッケージには環境配慮包装「Ecological Pack」を採用。折り曲げて続けて使えるエコ包装で、プラスチック使用量を約17%削減したという。


「INDOOR SALAD(インドア・サラダ)」シリーズは、農薬不使用でクリーンに育ったレタスを新鮮なままカットした商品だ。

新加工製法Techno Freshにおける洗浄技術と鮮度保持包装技術により、消費期限を最大6日まで延長。無駄なく使い切れるので、食品ロスの削減に期待できるだろう。トップシール包装の「Fresh Bowl(フレッシュボウル)」と脱気パック包装の「Fresh Wrap(フレッシュラップ)」という2種類の包装タイプから、食生活に合わせて選べるところもメリットだ。

工場での野菜栽培は、天候に左右されず、年間を通して高品質な食品を安定的に供給できる。また、農地面積やエネルギー、水資源を効率よく利用できるので、環境負荷の軽減も可能だ。気候変動や食料危機の問題に対応するために、こうしたサステナブルな農業生産の拡大が期待されている。

なお、INDOORブランドでは、飲食店向けに業務用サイズも展開している。飲食店やホテルのレストランでもINDOORのような植物工場野菜を取り入れ、安定した料理の質と安全性を高めるとともに、エシカル消費に関心のある利用客を呼び込むきっかけを作ってはどうだろうか。

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【参照サイト】 【新発売】植物工場野菜の新時代到来!人と地球にやさしい、新ブランド『INDOOR』2024年3月発売
【参照サイト】 INDOOR | ⼈と地球にやさしいから、続けられる。
【参照サイト】 内閣府:世界の自然災害の状況

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