卵の価格高騰・品薄への対応策にも。植物性のカスタードクリームが発売

世界には、国や宗教によってさまざまな食文化が存在しており、健康上の理由や思想に基づいて食事に制約のあるケースも見られる。こうしたフードダイバーシティに対応する選択肢のひとつとして注目されているのが、プラントベース(植物性)フードだ。植物由来の原材料を使用するプラントベースフードは、動物性食品にアレルギーのある人でも安心して食べられる。また、環境への負荷が少ないことから、持続可能な食糧生産にもつながるだろう。

国内外でプラントベースフードの需要が高まるなか、油脂食品の製造販売を行う「月島食品工業株式会社」は、チルド用の植物性カスタードクリーム「プラボカスター/MB」の販売を2023年5月より開始した。

プラボカスターは、月島食品グループが展開するプラントベースフード生産ブランド「Poff(ポフ)」のラインナップに加わる。カスタードクリームでありながら卵や乳製品といった動物性の原材料をしていないところが、プラボカスターの大きな特長だ。植物由来のココナッツミルクパウダーと豆乳を使い、やさしい味わいとなめらかな食感に仕上げている。    

また、国内で最も利用されているNPOベジプロジェクトジャパンのヴィーガン認証を取得。持続可能なパーム油の生産と利用を促進する非営利団体RSPOの対応製品として、環境保全にも貢献している。

チルド製品であるプラボカスターの賞味期限は製造後120日と長く、使うタイミングや量を調整しやすい。そのため、賞味期限切れで廃棄されてしまう食品ロスの発生も抑えられる。

日本卵業協会の資料によると、2019年度における日本人一人当たりの年間鶏卵消費量は約337個で、メキシコに次いで世界で2番目に多いという。一方で、鳥インフルエンザ流行の影響を受けて2023年5月時点では卵の供給量が安定しておらず、多くの卵を消費する日本にとって悩ましい状況が続いている。

こうした卵の不足を補う手段としても、プラボカスターのような代替え食品が有効だといえる。プラボカスターは、そのまま絞ったりパンやケーキに挟んだりと、さまざま用途に使える。こうした食材を活用し新たなメニューを開発することで、プラントベースフードに対する消費者の認識をより「おいしいもの」へと改めることができるだろう。

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【参照サイト】 【月島食品】乳製品・卵不使用でこの味わい!植物由来の力で作りあげたチルド用の植物性カスタードクリームを発売
【参照サイト】 月島食品グループのプラントベース製品ブランド『Poff』 | 月島食品工業株式会社
【参照サイト】 日本卵業協会:鶏卵関係資料の集計表

table source 編集部
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