近年、急速に需要が高まっている昆虫食。2013年に国際連合食糧農業機関(FAO)が「食用昆虫・食料と飼料安全保障の将来展望」と題した報告書を発表したことで、昆虫食の栄養価の高さや、食糧危機対策にも貢献するサステナビリティな側面に注目が集まった。2018年には、欧州連合(EU)が昆虫を食品として認可し自由な取引を承認したことから、今後更なる市場拡大が予想されている。

国内でも、昆虫食を商品化する企業が出てきているなか、敷島製パン株式会社は食用蚕パウダーを練り込んだ商品「まゆの便り」を発売した。Pascoのオンラインショップにて2022年1月17日より数量限定で販売される。

【商品ラインナップ】
・まゆの便りのくろわっさん 2個入 5袋セット(2,592円(税込・送料込))
・まゆの便りのまどれーぬ 6個入(2,592円(税込・送料込))
・まゆの便りの結びセット(くろわっさん 2個入×2袋/まどれーぬ 6個入×1箱)(2,916円(税込・送料込))

「まゆの便り」は、蚕を原料とする食品「SILKFOOD(シルクフード)」を展開するスタートアップ企業「エリー株式会社」の食用蚕パウダーを使用している。シルクフードの原材料となる蚕は、植物性タンパク質よりも必須アミノ酸を豊富に含む良質なタンパク源。この他にもビタミン、ミネラル、オメガ3系脂肪酸、葉酸など、栄養素が62種類も含まれている。ナッツのような風味や旨味も特徴だ。

敷島製パンでは、1920年の創業以来「パンづくりを通じて社会に貢献すること」を目指しており、未来の食糧危機に備え、持続的な食料の安定供給をするため、取り組みを進めている。その一環として立ち上がったのが、未来の食をまじめに考えるプロジェクト「未来食Labo」だ。同プロジェクトではすでに、食用コオロギパウダーを使ったフィナンシェとバゲット「Korogi Cafe(コオロギカフェ)」シリーズを販売しており、2021年12月には「第51回食品産業技術功労賞・環境・CSR部門」を受賞している。「まゆの便り」はKorogi Cafeシリーズに次ぐ、昆虫食の第2弾にあたる。

古くから、昆虫を食べる習慣は世界各地にあり、日本の一部地域でもイナゴの佃煮や蜂の子などが伝統食として残っている。一方で、多くの現代人にとって昆虫を食べるということは非日常の行為だ。Pascoのような誰もが知るブランドが販売することにより、昆虫食が徐々に身近な食材として認知されるようになるのではないだろうか。

【関連記事】

栄養豊富な蚕を使った食品ブランド「SILKFOOD」からプロテインスムージーが発売


【関連記事】

昆虫食に特化したリアル店舗、昆虫食の駅「TAKE-NOKO」が東京・浅草エリアにオープン

【参照サイト】 いにしえの時代から続く日本の食文化を未来につなぐ。「かいこ」を原料としたサステナブルフードに着目した「まゆの便り」シリーズ新発売
【参照サイト】 食用コオロギパウダーを使ったフィナンシェとバゲットを発売(数量限定)
【参照サイト】 Pasco未来食Labo「Korogi Cafe(コオロギカフェ)」シリーズの取組みが「第51回 食品産業技術功労賞」を受賞しました
【参照サイト】 FAO: Edible insects Future prospects for food and feed security

table source 編集部
table source 編集部
table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆さまに向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
Share
This