現在の日本では人口急減・超高齢化という課題があり、各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会を実現する「地方創生」が推進されている。地方が将来にわたって成長力を確保するには、人々が安心して暮らせるような持続可能なまちづくりと地域活性化が重要だ。地域活性化のためには、その地域の観光資源のPRや集客などが有効な取り組みの一つとされている。
そうしたなか、北陸地方では2024年3月に北陸新幹線の金沢・敦賀間が開業した。北陸は古くから続く歴史が培った伝統や文化、特色ある自然、多様な食など、豊かな地域資源に恵まれた地域として知られている。今回の新幹線の延伸をきっかけに、北陸に興味を持ち、観光に訪れる人も多いのではないだろうか。
北陸の食や伝統が改めて注目されるなか、石川県の魅力を発信するイベントの開催を発表したのが「パレスホテル東京」だ。同ホテルでは、2022 年より「最上質の日本」の提供を目指すイベント「Essence of Japan(エッセンス オブ ジャパン)」を展開。北陸3 県の食とその地域の伝統工芸をテーマとしたディナーイベントを3 回にわたり開催予定で、1 回目の福井県につづき、2回目となる今回は石川県にスポットを当てている。
2024年8月30日に開催される「Essence of Japan -北陸シリーズ・石川県-」では、料理を通じて能登の魅力を伝えている石川県の「L’Atelier de NOTO (ラトリエ・ドゥ・ノト)」のオーナーシェフ・池端隼也氏、輪島塗塗師・赤木明登氏、パレスホテル東京総料理長・齋藤正敏が一夜限りの特別なディナーを提供する。
能登産にこだわった魚介類や野菜などをふんだんに使用した池端氏と斎藤氏による特別メニューのほか、赤木氏による石川県の伝統工芸品「輪島塗」が料理を際立たせる食器として登場する。
このイベントのために制作された漆器は、温前菜の器として登場予定。イベント終了後、ゲストはこの漆器を持ち帰ることができる。
またデザートには、石川県の老舗洋食器メーカー「ニッコー株式会社」の開発した、捨てられる食器をリサイクルした肥料で育てたコシヒカリ「ボナース米」をアイスクリームに仕上げた、サステナブルな一品も提供される。
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食後の小菓子には、金沢の老舗御菓子司「𠮷はし菓子所」の和菓子も提供され、コースを通して石川の豊かな食や歴史ある文化を感じることができるイベントだ。なお、今回のイベントの売り上げの一部は、2024年1月に発生した令和6年能登半島地震の災害義援金として寄付されることも発表されている。
【イベント概要】
日時:2024年8月30日(金)18:00 受付/18:30 開宴
場所:パレスホテル東京 4F 宴会場「山吹」
予約開始日:2024年6月3日(月)
料金:55,000円(お食事・お飲み物含む)※サービス料・消費税込み
新幹線の延伸で北陸地方への期待や関心が集まるなか、都心で石川の食文化が楽しめる今回のイベントは、北陸地方から離れた首都圏居住者でも魅力を感じられる機会となるのではないだろうか。
今年1月の能登半島地震で被害を受けた石川県。実際に石川県の食材や輪島の伝統工芸などの魅力を体感できるイベントの開催は、歴史ある文化を繋ぐ後押しになるだろう。さらに売り上げの一部が寄付されることで首都圏からの災害支援にも繋がる取り組みでもある。こうしたイベントのように、直接地域に訪れなくとも楽しみつつ首都圏から地方創生に貢献する機会が増えることを期待したい。
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【関連サイト】 ニッコー株式会社公式サイト
【参照サイト】 パレスホテル東京/ESSENCE OF JAPAN 第四弾 北陸シリーズ・石川県