飲食業界やホテル業界に大きな影響を及ぼしている、新型コロナウイルスの感染拡大。各地の農家にも多大な影響が生じている。農林水産省によると、2021年1月の調査で、6割強の農業者が「売上高にマイナスの影響がある」と回答しているという。理由としては、単価・相場の下落が最も多く、次いで既往販路の縮小や直営所などの休業などが挙がっている。
そうしたなか、熊本県八代市の「株式会社熊本青果物出荷組合」は、熊本県八代地域で栽培された、国産・無農薬で、皮ごと食べられるオーガニックバナナ「やっちろバナナ」を11月14日より販売開始する。
「やっちろバナナ」は、徹底した温度管理と丁寧な手作業により、寒い日本でも育つことができる国産オーガニックバナナ。完全無農薬で育てられており、無農薬栽培ならではの悩みである「害虫」はすべて手作業で取り除くことで対策をしている。
バナナの品種は、一般的なバナナとは異なる「グロスミッシェル種」という品種で、香りと糖度が高く、ねっとりとした食感が楽しめるという。また、皮がとても薄いため、皮まで食べることができる。
バナナのパッケージは透明なビニール製であることが一般的だが、このやっちろバナナのパッケージには土に還るプラスチックフリー素材を採用。バナナの個別包装では透け感のあるグラシン紙を使用することで追熟の様子がわかり、食べ頃を見逃さない工夫がなされているという。
■商品概要
名 称:「やっちろバナナ」
販売開始日:2022年11月14日(月)
販売価格 :2,750円(レギュラー5本セット)
※第一次出荷分完売次第、通常価格3,300円
販売元 :株式会社熊本青果物出荷組合
購入方法 :オンラインストア(外部サイトへ)にて販売
八代市はもともと、畳に使う「いぐさ」の生産で栄えていた地域。近年ではその需要も伸び悩むなか、熊本青果出荷組合はトマトを中心とする青果物の生産に注力し、全国の販売店や飲食店への提供をしていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で青果物の消費需要が減少。売り上げや販売単価が落ち込むなか、日本ではほとんどを輸入に頼っているバナナの国産化を目指し、地元地域の新たな名産品とすべく取り組みを開始した。
バナナの育成・管理を行うのは、以前からトマト栽培を依頼していた農家。八代特有の気候や土壌を理解しながら農業を行ってきた経験を、バナナ栽培でも活かしている。
また今回の発売にともない、銀座の名店「LA BETTOLA da Ochiai(ラ・ベットラ・ダ・オチアイ)」の落合務シェフが「やっちろバナナ」アンバサダーに就任。自らが考案する新商品開発プロジェクトもスタートする予定だ。
やっちろバナナの生産と販売は、八代市の地元農業活性化の後押しになるだけでなく、皮まで食べられることから食品ロスの削減にもつながる取り組みだ。「皮まで食べられる」と聞いて、食べてみたいと感じるお客さまも多いのではないだろうか。お客さまにとって、こうしたユニークな食材との出会いが、サステナビリティに関心を持つきっかけになるかもしれない。
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