2022年4月1日から「プラスチック資源循環促進法」が施行されることが、1月の閣議で決定した。ストローやスプーンなどの使い捨てプラスチック製品12品目の使用量を削減するため、年5トン以上を使用する事業者に有料化や再利用などの対応を義務づけるほか、削減目標の作成が求められる。
使い捨てプラスチックがこれほどに問題視される理由は、プラスチックの原料である石油資源の枯渇に対する懸念や、プラスチックが生ゴミなどとは違って自然には分解されないことにある。自然に還ることがないプラスチックは、燃やせば温室効果ガスが発生し気候変動を加速させ、放置すれば最終的に海洋プラスチックごみとなり海を汚染する。
そうしたなか、イギリス・ロンドンのスタートアップ企業Notplaは、2021年の報告書の中で、世界初の海藻から作られたパッケージ「Ooho」が46,000個、試験導入されたと発表した。プラスチック容器からの置き換えにより、プラスチック削減率100%はもちろん、CO2削減率68%も実現したという。
Oohoは海藻と植物を組み合わせた100%生分解性なので、家庭用コンポストでも処理ができ、4~6週間で分解される。パッケージごとそのまま食べることもできるので、スポーツイベントや外出先での水分補給の際に廃棄物ゼロを実現することができる。
Oohoは「食べられる水」として注目を集めているが、水以外にもジュースやアルコールを投入することもできる。そのため、大規模野外音楽フェスティバルなどでも提供されている。OohoはNotplaの主力商品だが、そのほかにもソースやドレッシングを投入できる小袋や、紙素材に生分解性のコーティングを施した防水性・耐油性のテイクアウト容器なども開発している。
サステナビリティに関心が高まる中、地元食材やオーガニックな食事を提供する野外イベントも増えてきている。そうしたイベントの後に、プラスチックごみが大量に廃棄されていては台無しだ。飲食分野では特に、食材だけでなく容器にまでこだわりたいものだ。
【関連記事】
【参照サイト】Notpla