パン屋と保育園が連携した「おむかえパン」。食品ロス削減と地域活性に貢献

おむかえパン

まだ食べられるのに廃棄されてしまう食品「食品ロス(フードロス)」。日本では、毎日お茶碗1杯分に相当する食べものが食品ロスとして捨てられている。2021年4月の環境省の報告によると、日本で発生する年間約2,531万トンの食品廃棄物のうち、食品ロスは約600万トンと推計されている。

消費者の食品ロスへの意識の高まりとともに、さまざまな企業で食品ロス削減の取り組みがスタートしており、2021年8月にはスターバックスが「閉店3時間前をめどにフードメニューを20%OFFで販売することで食品ロス削減を目指す」ことを発表し、話題を呼んだ。

おむかえパン

食品ロスの取り組みが広がるなか、神奈川県茅ヶ崎市にある「レイモンド茅ヶ崎保育園」では、保護者のお迎えの時間に合わせて地域のパン屋のパンを販売する取り組みがスタートした。

2023年7月21日に発表されたこの取り組みは、園と地域のパン屋「ティンバー ライ(Timber Rye)」が協力し、月に2回ほど定期的に開催。食事にもなる惣菜パンや子ども向けのキャラクターの菓子パンなど、バラエティに富んだパンを毎回100個ほど用意しほぼ完売しているという。

園でパンを販売することで、近隣店舗の食品ロスを解消し、地域経済の活性化につながるうえ、園を利用する保護者にとっては買い物の利便性向上という子育て支援の側面からのメリットもある。

おむかえパン

実際に、購入した保護者からは「お迎え時にパンが買えて便利」「食事になる惣菜パンがあり、子どもとゆっくりする時間をとれる」「いっしょに買い物体験ができて、子どもが楽しそう」、またパン屋からは「お店を知ってもらえた」「廃棄が減りありがたい」という声が届いているという。

保育園でこうした取り組みが行われることは、子どもたちにとって「食材を大切にする」「作ってくれた人に感謝する」「食を楽しむ」という食育にも繋がりそうだ。持続可能な社会の実現を推進するためには、今回の事例のように事業の垣根を越え、いくつかの組織・企業が協力して取り組むことで、より多くの効果を生み出すことができそうだ。

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