捨てられる米ぬかを、環境にも肌にも優しいタオルに。米農家オリジナルタオルが発売

世界各国で環境破壊や貧困、人権侵害といった問題に向き合う機運が高まるにつれ、消費者個人も「持続可能性」に対する関心を強めている。特にエシカル消費を意識する人にとって、SDGsの目標達成のために企業が行っている取り組みは重視すべきポイントだといえるだろう。今後は業界を問わず、企業側もどれだけサステナブルな取り組みを打ち出せるかが、事業発展のカギとなるかもしれない。

そうしたなか、観光業では「サステナブル・トラべル」が新しい旅行の形として注目されている。ブッキング・ドットコム・ジャパン株式会社が2022年2月に実施した調査結果によると、「サステナブルな旅は自身にとって重要である」と回答した日本の旅行者は73%だった。また、日本の旅行者の4人に1人が過去1年間で「実際にサステナブルな宿泊施設に滞在した」と回答しており、宿泊施設にサステナビリティを求める様子がうかがえる。

「サステナブルなホテル」をアピールするためには、宿泊客がよく利用するものから導入するとわかりやすい。例えば、ホテルのアメニティで用意されているタオルだ。
「The北海道ファーム株式会社」は、国産米ぬかを使用したサステナブルなタオル「お米タオル」を2022年12月23日より販売開始した。

The北海道ファーム株式会社では農作物の生産だけでなく、副産物の活用にも力を入れている。今回は、精米時に発生する米の殻である「米ぬか」に着目。米ぬかは貴重な植物資源でありながら、一部は産業廃棄物として捨てられてしまう。持続可能な社会を実現するためには、廃棄物も資源に還元する農業サイクルの推進が重要だ。そこでThe北海道ファーム株式会社は、大阪・泉州の老舗タオルメーカー「株式会社成願」とタッグを組み、米ぬかを肌と環境に優しいタオルにアップサイクルした。

米ぬかが配合されたレーヨン1%と、99%の綿素材で作られたお米タオル。ミネラルやビタミンなど栄養豊富な米ぬか成分を生地に配合し、柔らかな3重織のガーゼタオルに仕上がっている。また、このタオルは速乾性に優れている上に、何度洗濯してもごわつかず、ホテルの室内にコンパクトに収納可能。タオルの機能性と使い心地、サステナビリティにまでこだわることで、他のホテルとの差別化を図れるだろう。

2022年10月からは新型コロナウイルスによる行動制限の緩和に伴い、全国旅行支援の政策が実施されている。旅行会社やホテルは、このような支援策を追い風としたいところだ。SDGsの目標達成に貢献する一歩として「お米タオル」を採用し、宿泊客をサステナブルにおもてなししてみてはどうだろうか。

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【参照サイト】 創業76年の老舗タオルメーカーが考案 米農家オリジナル「お米タオル」が2022年12月23日(金)新発売

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