農水産物を生産された地域内において消費する、地産地消。洋食器メーカーのニッコー株式会社が2020年に実施した消費者調査によると、半数以上が「食材の産地や安全性も意識する」と回答。消費者の地産地消への意識の高さが明らかになった。地元産の新鮮で安全な食材を消費する利点に加え、輸送による二酸化炭素やコスト削減など、SDGsの貢献にも関わることから、地産地消が改めて注目を浴びている。

SDGsの取り組みの一環として地産地消にアプローチした企画が、沖縄県恩納村ルネッサンスリゾートオキナワの「シェフの一皿~FARM to TABLE」だ。FARM to TABLEは農場から食卓へ、の意味で、恩納村や読谷村の農産物を使ったスペシャルティ料理を楽しむ企画。2022年4月10日から6月30日までの期間、開催される。恩納村や近隣市町村の農水産物を取り扱う産直市場「おんなの駅」が協力し、8名のシェフが直接畑を訪れ、食材を吟味した。

レストラン「ロビーラウンジ」の一皿は、「恩納村・宮平さんのパッションフルーツでTHE PASSION」。「あたびーファーム」で収穫したジューシーなパッションフルーツと、ココナッツの見た目も鮮やかなムースだ。あたびーは島言葉でカエルの意味。朝からカエルの鳴き声が響く丘上で、米ぬかや発酵堆肥で丁寧に栽培したパッションフルーツが味わえる。

「恩納村・山本さんのカーリーケール de 春焼売」は、循環型の農業を目指し、与那国馬を飼育する「マルファーム」農園で育てたケールを使用。有機肥料、無農薬で栽培したケールを、焼売の生地やソースに使い、春キャベツ風に仕立てたヘルシーな一品だ。ココガーデンリゾートオキナワのレストラン「マカンマカン」で楽しめる。

他にも6ヵ所のレストランやラウンジで、素材の良さを引き出した各メニューを2022年6月30日まで提供中だ。

今企画を通じて、シェフが貴重な食材を見出したり、農家に新しい野菜をリクエストするなど、農家とシェフの交流が双方にメリットをもたらしたという。同社は今後も3ヵ月毎に食材とメニューを更新予定。地産地消を促す取り組みによって、生産者とシェフのクリエイティビティの更なる相乗効果が生み出されそうだ。

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【参照サイト】 シェフの一皿~FARM to TABLE ルネッサンス リゾート オキナワ4~6月のSDGsアプローチ、8名のシェフと農家さんがコラボしたスペシャルな料理とスイーツ。
【参照サイト】 株式会社ONNAホームページ
【参照サイト】 マルファームInstagramページ

table source 編集部
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table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆さまに向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
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