電力会社の電力に頼ることなく、身近にある太陽光や風力などの自然エネルギーを電力に変える、独立型のオフグリッドシステム。エネルギーの自給自足を行い、どんな場所でも安定した電源を確保できる画期的なシステムとして近年注目度が高い。
全国で宿泊事業や地方創生を手がける「株式会社ARTH」は、100%エネルギーと水を自給するオフグリッド型居住モジュール「WEAZER」を開発している。エネルギーを自給するためCO2の排出量ゼロ、さらに雨水から水を作り出すため、既存のインフラに頼ることなく様々な場所で設置が可能に。建物の可能性を広げるのはもちろん、地球環境に優しいシステムだ。
同社はこの「WEAZER」を取り入れたファーストモデルを、静岡県の西伊豆で一棟貸しのホテルヴィラとしてオープンすべく準備を進めていることを、2022年6月1日に発表した。世界初のオフグリッド型ホテルとなる。
雄大な駿河湾を高台から望み、オーシャンビューの露天風呂をそなえ、そして専属のコンシェルジュが迎えてくれる。そんな特別感に溢れた空間とおもてなしを目指しているという。食事は、株式会社ARTHが運営するレストラン「LOQUAT西伊豆」まで送迎があり、地産地消にこだわったイタリアンのフルコースを堪能できる。インフラに頼らない施設につきまといがちな、不便や不自由といったイメージを覆すラグジュアリーなホテルヴィラが期待できそうだ。
「WEAZERが提供する5つの価値」
Value 1_Place it Anywhere -どこにでも、置くだけ-
太陽光発電で電気を作り、雨水を濾過、滅菌して水を作るオフグリッド型の居住モジュール。ユニット化された「WEAZER」は数日の工事で設置することが可能なため、「置くだけ」で世界中どこでも自然を傷めずに滞在することが可能。
Value 2_Zero Emission -CO2排出量ゼロ-
自然の力でエネルギーを自給するため、CO2の排出量はゼロ。特殊な浄化装置により、汚水排水も発生しないため、設置場所の自然環境に優しい。
Value 3_Resilience -レジリエンス(緊急時の備え)―
災害などにより停電や断水の発生も想定済み。既存インフラから独立してエネルギーを自給するため、緊急時の避難場所として活躍できる。
Value 4_Customization -自由なカスタマイズー
カタチやサイズは自由自在。必要なシーンに応じてユニットを組み合わせて、世界中に届けることが可能だ。
Value 5_Life with EV -EVとのシナジ-
WEAZERの可能性は電気自動車(EV)と組み合わせることで更に拡大。建物の余剰電力でEVを充電したり、緊急時にEVから建物電力をまかなったり、次世代モビリティと連携した低炭素社会の新たな生活様式を提案。
今後は世界の絶景地やインフラが整っていないエリアなどに、WEAZERを展開し「その場所でしか味わえない体験」を提供していく予定。ホテルや別荘、緊急時の避難場所など、様々な用途に合わせて開発、世界中の美しい場所に価値を生み出すことを目指している。
インフラに頼らないオフグリッドシステムは旅や体験の可能性を広げてくれそうだ。同時に、環境に負荷のかからない施設が増えていくことは望ましく、近い未来に訪れるとされる大地震や自然災害の際に影響を受けないため、これからますますニーズが高まるのではないだろうか。
【参考サイト】株式会社ARTHが、エネルギーと水を100%自給するオフグリッド型居住モジュール「WEAZER」(ウェザー)を開発。本製品を活用した世界初のオフグリッド型ホテルが西伊豆エリアに今秋オープン!
【参考サイト】株式会社ARTH(アース)