「水の惑星」と呼ばれる地球だが、そのほとんどは私たちが使えない水だ。地球上に存在する水の約97.5%を占めているのは海水で、淡水は残りの約2.5%程度だ。さらに淡水の多くは氷河や地下水として存在するため、河川や湖沼など人間が利用しやすい水源は約0.01%しかないと考えられている。
一方で、世界では水に関する様々な問題が起きている。ユニセフによると、2022年時点で世界では22億人が安全に管理された飲み水を利用できていないという。また、世界人口の増加に伴い水資源の需要が拡大するほど、各地で水不足が深刻化する可能性も高まる。その結果、飢餓や衛生状態の悪化を招くだけでなく、水資源を巡って国家レベルの争いにまで発展しかねない。水は人間が生きていくうえで欠かせないからこそ、持続可能な手段で活用していく必要がある。
そうしたなか、インドの大手ホテル企業「Oberoiグループ」はサステナビリティを体現した枠組みとして「Elements by Oberoi」を設定。2020年代末までに新たに50軒のホテルを開業する計画を踏まえ、今後の事業展開において中心に据える方針を2025年6月に発表した。
Elements by Oberoiでは、地球(Earth)、水(Water)、空気(Air)という3つの柱に基づき、環境と社会への責任を明確にする同グループの姿勢を打ち出している。
1つ目の地球(Earth)とは「私たちが立っている地面を尊重する」こと。Oberoiグループのホテルは有機農業や廃棄物堆肥化システム、持続可能な造園、地元産食材の使用など、自然との調和を目指して設計されている。また、環境に配慮したアメニティの提供やOberoiホテルズ&リゾーツ全館でのペットボトル飲料の廃止、素材の再利用など廃棄物を最小限に抑えることで、循環型モデルを構築しているという。
2つ目の水(Water)とは「一滴一滴を尊重する」ことであり、Oberoiグループでは水の保全を最優先事項に挙げている。例えば水を管理するにあたって、先進的な雨水利用やゼロ排水システム、持続可能なランドリー設備など循環型社会の実現につながる手段を採用。さらに海洋保全や地域社会における責任ある水利用の支援といった、ホテル業の枠にとらわれない活動も行っている。
3つ目の空気(Air)が意味するのは「よりきれいに呼吸し、よりスマートに暮らす」こと。ホテル全体で二酸化炭素排出量の削減に取り組み、クリーンエネルギーやスマートシステム、空気清浄の導入を推進している。
そして今回、Oberoiホテルズ&リゾーツでは、すべての宿泊施設において2030年までに達成するいくつかの目標を公開している。
まずはホテルで使用済みの廃水を100%リサイクルし、客室1室あたりの真水消費量を20%削減することを目指す。また、電力供給源の50%を再生可能エネルギーから調達。輸送車両も完全電気自動車に移行するという。さらに全ての新しいホテルで化石燃料ベースの熱システムを段階的に廃止し、電気式の代替システムに切り替えるとともに、既存のホテルでも設備を交換していくとした。
日本では、水問題に対する危機感が比較的薄いかもしれない。しかし、人口増加や生活水準の向上に伴い、水の使用量は年々増加しており、水不足に直面する未来は決して他人事ではない。加えて、老朽化が進むインフラ設備に対する不安を抱く人も増えてきている。
今後は日本でも、排水のリサイクルや節水など水資源を守る取り組みの重要性が一層増していくことになりそうだ。
【参照サイト】水資源に関する 水資源に関する 世界の現状 、日本の現状
【参照サイト】地球上の水問題 – 日本水フォーラム
【参照サイト】安全な水 | 水と衛生 | ユニセフの主な活動分野
【参照サイト】Elements by Oberoi’: A Holistic Sustainability Framework Rooted in Earth, Water, and Air




















































