核家族化が進み、単独世帯や夫婦のみの世帯も多くなったことで手軽に外食をしたり、買ってきたものを家で食べたりすることがほとんどの家庭で行われている。日本総菜協会の調査によると中食の市場規模は2010年から2019年の10年で127%拡大したという。手軽で便利な食事の仕方が広まる一方で、惣菜購入やテイクアウトによる容器の廃棄は深刻だ。

そうした中、買い出し・調理・後片付け不要の、手軽で健康的なお弁当「nosh-ナッシュ」を製造・販売するナッシュ株式会は2021年6月、新パッケージのリニューアルにより環境問題の取り組みの一つとして「フォレスト環境基金活動」に参加したことを発表した。

フォレスト環境基金活動とは、サトウキビ搾汁後の搾りかすでできたバガスペーパーや、アフリカ原産のアオイ科フヨウ属の植物であるケナフペーパーなどの環境に配慮した素材でできたパッケージを使用する会社が参加できる活動だ。パッケージを作る株式会社ザ・パックが出荷額の一部を「ザ・パックフォレスト環境基金」に拠出し、独自の森林保全及び植林活動を行っている。

パッケージには冷凍加熱食品では国内初となる、紙製モールド容器と紙材質シールを組み合わせた素材を採用。さらに、乳幼児や子供向けの商品にもよく使われている「水性フレキソ印刷」を使用することにより、有機溶剤の含有量を限りなくゼロに近づけている。CO2排出量の低減ができ、環境負荷の軽減、汚染予防がはかれるため、安心・安全で環境にもやさしいパッケージが実現した。

リニューアルしたパッケージは、内容量はそのままでサイズが小さくなり、すべて紙素材で環境に良く、そのまま捨てられたり、密閉されてより安全になったりした他に、知りたい情報がひと目でわかるようにもなったことがポイントとなっている。

パッケージリニューアルのプロジェクトが発足したのは、昨年2020年10月。ユーザーから同社のお弁当容器に対して、「大きい・かさばる」「自宅の冷凍庫にできるだけ多くnoshを収納したいけどスペースがない」などの意見が多数あったことがきっかけだった。今回のリニューアルは、ユーザーの意見を詰め込んでおり、最終的にデザインは4案の中からSNSの投票で決定した。

容器自体がリサイクルされ、かつ森林再生に寄与できるシステムはプラスチックゴミの増大や地球温暖化、森林破壊など多くの環境問題にアプローチできる。環境に配慮した商品を開発する際は同時に取り組める活動がないか、一度立ち止まることも必要かもしれない。

【参照サイト】nosh-ナッシュ
【参照サイト】株式会社ザ・パック
【参照サイト】一般社団法人日本惣菜協会|2021年度版惣菜白書-ダイジェスト版

table source 編集部
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table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆さまに向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
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