持続可能な開発目標・SDGsの8番目の目標である「働きがいも経済成長も」。働きがいと経済成長の両立を目指すこの目標では、働く人々の権利や環境を守りながら経済を発展させることを重要視している。
労働環境改善の一環として、近年様々な企業が取り組みをはじめているのが、従業員の心の健康を維持・管理する「メンタルヘルスケア対策」だ。
2023年1月4日、アメリカで450以上もの店舗を展開する大手飲食チェーン「Noodles&Company」は、世界最大のメンタルヘルスプラットフォーム「BetterHelp」とのパートナーシップを発表した。
今回のパートナーシップにより、2023年 1月4日から31日までの間、Noodles&Companyの店舗またはWebサイトにアクセスすることで、BetterHelpのオンラインセラピーサービスを1ヶ月無料体験することができる。BetterHelpは、電話、チャット、ビデオ通話を通じて専門的なオンライン・セラピーを提供し、会員それぞれのニーズや好みに応じてセラピストをマッチングする。
このオンラインセラピー体験の費用、合計で最大100万ドルはNoodles&Companyが負担する。
Noodles&Companyの最高マーケティング責任者Stacey Pool氏はプレスリリースのなかで「『Uncommon Goodness(常識にとらわれない善意)』を重視する企業文化のもと、心の健康は内側から始まると考えています。私は誰もが自分のためにできる最善のことは心の健康に投資することであり、セラピーは人生を歩むうえでの重要な一部であると信じています。」と述べている。
こうした顧客サービスは、Noodles & Companyが8,000人以上のチームメンバーに年間を通じて提供している、メンタルヘルスに関する長年にわたる取り組みの延長線上にあるものだ。同社は、従業員の健康管理、カウンセリング、その他のサポートを無料で提供している。この福利厚生では、24時間365日体制のメンタルケアやカウンセリング、法律に関するサポート、財務に関するカウンセリングなどを受けることができるという。
こうした取り組みが評価され、経済誌「Forbes」の発表する2021年と2022年の「America’s Best Employers for Diversity(多様性に富むアメリカの最優秀雇用主)」、2021年の「America’s Best Employers for Women(女性にとって最も働きがいのある会社)」の1つに選ばれている。
アメリカでは、2019年にオレゴン州で学生が自分の精神状態をケアするための「メンタルヘルス休暇」取得を許可する法律ができるなど、メンタルヘルスケアの重要性が日々拡大している。日本でも、近年は「レジリエンス」や「EAP(従業員支援プログラム:Employee Assistance Program)」といったメンタルケアに関連する言葉を目にする機会が増えてきた。深刻な人材不足に直面しているホテルや飲食店が多いなか、従業員のメンタルヘルスに向き合うことは、SDGsの推進だけでなく従業員の離職回避にもつながるはずだ。
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【参照サイト】 Noodles & Company Joins Forces With BetterHelp To Promote Mental Health and Provide Up to $1 Million in Free Online Therapy
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