企業や業種に対する「顧客満足」を数値化・可視化することを目的とした、日本版顧客満足度指数(JCSI:Japanese Customer Satisfaction Index)、2022年度の第1回調査の結果が発表された。同調査は、日本最大級の顧客満足度調査。
今回、飲食・ファストフード店部門で第1位を獲得したのは、大手ファストフードチェーンの「モスバーガー」だ。
モスバーガーを展開する株式会社モスフードサービスは、2022年7月28日、世界的な問題となっているプラスチックごみの廃棄による海洋汚染への取り組みとして、国産の非食用米 25%を配合したバイオマスプラスチック「ライスレジンⓇ」を原料としたテイクアウト用カトラリーの導入開始を発表した。
ライスレジンは、食用に適さない古米、米菓メーカーなどで発生する破砕米など、飼料としても処理されずに廃棄されてしまうお米を、プラスチックへとアップサイクルしたものだ。お米を最大70%まで混ぜることが可能で、石油系プラスチックの含有量を大幅に下げることができる。お米の混合率は、製品の用途や必要な強度に応じて調整されるという。
同社では、2019 年 2 月に紙製カトラリーの使用実験を一部店舗で開始したことを皮切りに、これまでさまざまな素材を使用したカトラリーの実験に取り組んできた。バイオマスプラスチックの使用についても、パルプやコーンスターチなど植物由来原料を使用したカトラリーの導入実験を重ねた結果、国産非食用米を25%配合したバイオマスプラスチック「ライスレジンⓇ」を原料としたカトラリーが最適と判断し、全店導入を決定したという。2022年6月30日時点で、モスバーガーの国内店舗数は1,253店舗にものぼる。
また同社では、2022年4月より施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(プラスチック資源循環法)に合わせて、テイクアウトのお客さまにカトラリーの使用意向を確認する「声かけ」を実施してきた。その結果、約40%の使用削減を実現している。同社によると、今後、継続的な「声かけ」と新カトラリーの使用により、年間約15トンのプラスチック使用削減が見込めるという。
昨今、消費者のサステナビリティへの関心は高まっている。マーケティングリサーチを行う株式会社インテージが2022年2月24日に公開した、SDGsに関する意識調査では、SDGs認知者の約53%が「SDGsに取組む企業を応援したい」、約45%が「SDGs関連商品・サービスを購入・利用したい」と回答した。
こうした風潮のなかで、飲食店として年々深刻化する社会課題への具体的な施策を示すことは、世間からの注目を集めることにも繋がる。モスバーガーが顧客満足度第1位という高評価を得た背景には、こうしたサステナビリティに対する取り組みも影響しているのではないだろうか。
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【参照サイト】RiceResin 公式ホームページ
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