M&M’SやSnickersで知られる大手チョコメーカー、カカオ不使用の新商品を発売

チョコレート カカオ不使用

チョコレート業界は、製品の主原料であるカカオをめぐって厳しい状況に置かれている。近年、気候変動によりカカオの収穫量は落ち込んでおり、世界の在庫は過去10年間で最低水準にまで減少。カカオの供給不足に伴って価格が高騰し、2024年には史上最高値を記録した。

一方で、チョコレートを製造する過程では大量の温室効果ガスが排出され、水資源の消費量も多い。さらにカカオ栽培は熱帯雨林の破壊を加速させる要因となっており、環境保全の観点からも抜本的な対策が求められる。

チョコレート カカオ不使用

そうした背景を踏まえて、世界最大のチョコメーカー「Mars(マース)」は脱炭素化に向けた取り組みを進めている。MarsはM&M’sやSnickers、Galaxy、Milky Way、Bountyなど有名なブランドを多数擁し、日本を含む世界各国で親しまれている。

なかでも、同社が製造するドイツ発祥のシリアル・チョコレートバー「Balisto」は、ヨーロッパ諸国で非常に親しまれている人気ブランドだ。2026年4月、このBalistoブランドから、カカオを一切含まない新商品「Balisto Trail Mix」が発売された。

最新製品のトレイルミックスには、ドイツ発のフードテックスタートアップ企業「Planet A Foods」が開発したカカオ不使用のチョコレート代替品「ChoViva」を使用。レーズンやアーモンド、ピーナッツに「ChoViva」を配合した手軽なスナックとして、ドイツ国内に約3,800店舗を展開する小売チェーン店「REWE」で10月まで試験販売される予定だ。

Planet A Foodsは「ChoViva」の開発にあたって、カカオそのものではなく、チョコレートの製造工程における扱い方に着目。ヒマワリの種を独自の発酵・焙煎プロセスによって粉末状に濃縮し、カカオに似た香りと風味を引き出した。さらに植物由来の脂肪や砂糖と組み合わせ、クリーミーで滑らかな食感を再現。ダーク、ミルク、ホワイトチョコレートの3種類に加え、ヴィーガン向けのタイプを用意している。

「ChoViva」はチョコレートと1対1で置き換えて幅広く活用できるのはもちろん、環境への負荷を軽減できるところも強みだ。熱帯産のカカオではなく、ヨーロッパ産のヒマワリの種を選ぶことで輸送距離を短縮するとともに、栽培過程で森林を破壊するリスクを回避。

食品・飲料小売業者が製品の環境負荷を推定するのを支援する「inoq」の評価によると、従来のチョコレートと比べて二酸化炭素の排出量を約74%削減しているという。Planet A FoodsはこれまでにNestléやLindt、ルフトハンザ航空、ドイツ鉄道、Kaufland、REWE、Aldi、Lidl、日本の大手小売企業であるイオンなど、ドイツ国内外の企業と提携。「ChoViva」はヨーロッパとアジアの10か国で120以上の製品に採用されるまでに成長している。

チョコレート カカオ不使用

今回のMarsの事例のように、世界の食品業界では、フードテック企業による技術革新を後押しする基盤が整いつつある。
とりわけ、カカオをはじめ将来的な供給不安が懸念される食材については、生産者や関連企業を支えていくためにも、飲食業界において代替原料やサステナブルな製品を積極的に取り入れていく姿勢が、今後ますます重要になるのではないだろうか。

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フォアグラやキャビアなど、飲食店が今後提供できなくなるかもしれない18の食材まとめ

【参照サイト】ChoViva
【参照サイト】Planet A Foods
【参照サイト】Climate-Smart & Cocoa-Free: Mars Makes Moves to Decarbonise Chocolate Portfolio
【参照サイト】REWE – REWE Group
【参照サイト】ChoViva(サステナビリティについて)

table source 編集部
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table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆さまに向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
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