2019年10月、マンダリン オリエンタル ホテル グループ(MOHG)は、2021年3月末までに、高級ホテルで使用する使い捨てプラスチック(SUP=single-use plastic)をすべて排除することを宣言し、期限から3ヶ月後の6月にその結果を報告した。

マンダリンは2021年第1四半期末までに年間のプラスチック使用量を約70%削減することができたという。
期日までに目標を達成できなかった理由としては、新型コロナウィルス感染症拡大によりホテルの稼働が低下し、SUPの供給量が予定数を下回ったことを挙げている。2022年第1四半期末までには、SUPの在庫状況とサプライヤーとの契約を元にすべてのホテルでSUPを廃止し、年間930トンのプラスチック廃棄物を削減できると予想している。

マンダリンは客室、スパ、レストラン、バーなどのホテル内のすべてのエリアに加え、オフィス、バックヤード、厨房など、お客様の目に触れない部分でもSUPを排除することに取り組んできた。その中でも料飲、スパ、客室の主要部門で、下記6つのアイテムが年間のSUP廃棄量の81%を占めていることがわかった。

ゴミ袋(294トン/年)
ウォーターボトル(770万本/年)
スリッパ(81万6千足/年)
食品用真空パック(88トン/年)
食品用ラップ(80トン/年)
アメニティ – シャンプー、コンディショナー、シャワージェル(490万本/年)

なお、マンダリンは代替品を探すなどしてSUPすべてを排除することを目指しているが一部例外を設けている。例えば飲料やお菓子の瓶に貼られているプラスチック製の衛生シールや、救急箱に入っているような医療関係の物資は安全衛生の観点から除外されている。

グループCEOのジェームズ・ライリーは、「2021年3月末までに館内から使い捨てプラスチックをすべて排除するという計画は、パンデミックの影響などにより1年延期されました。しかし、我々は大きく前進しており、グループの大多数のホテルが今年7月末までに目標を達成する見込みです。 厳しい状況が続いていますが、サステナビリティに対する企業責任を果たすために取り組み続けます。」と述べている。

2021年第4四半期にさらなる進捗状況の報告を行う予定だという。高級ホテルのグレードを守りながら、この目標を達成できれば他のホテルの中で群を抜くことになるかもしれない。今後もマンダリンの取り組みに注目したい。

【参照サイト】PRESS RELEASES| Mandarin Oriental

table source 編集部
table source 編集部
table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆様に向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
Share
This