農林水産省によると国内の食料自給率は、長期的に低下傾向で推移している。令和元年度のカロリーベースでは食料自給率が38%と他の先進国と比べて非常に低い。自給率の高い米の消費が減少し、飼料や原料を海外に依存している畜産物や油脂類の消費量が増えてきたことが主な理由だろう。

そこで注目を集めているのが地産地消だ。地域で育てたものを地域内で消費する取り組みを指す。地産地消のメリットは大きく、遠方から商品を運んでくる必要がないため輸送によるCO2の削減、輸送や保管コストの削減、地域と繋がる機会を生み出す、などが挙げられる。また安定供給が難しいことや、地域により差が出ることはデメリットとなることも理解しておきたい。

そうしたなか、開業88年を迎える「琵琶湖ホテル」では持続可能な社会を目指した取り組みとして、ホテルで提供するサービスに地元の特産品を積極的に取り入れ、ゲストに滋賀県の魅力を伝えている。その一環としてホテルに飾る花も滋賀県産を採用。ゲストへ高品質な滋賀県産の花卉(かき)の魅力を知ってもらい、同時に地域の生産者を応援する目的がある。

同ホテルでは、2022年6月2日「ローズの日」から7月8日まで、滋賀県守山市のバラ生産者「クニエダ株式会社」によるバラの装飾をロビーで展示している。展示を終えて廃棄される花をドライフラワーにして館内装飾などに再利用、フラワーロス削減にも貢献している。

「クニエダ株式会社」のバラ

琵琶湖ホテルがコラボするのは、守山市でバラ一筋50年の「クニエダ株式会社」。オランダの種苗会社「Dummen Orange (デュメン・オレンジ)」の日本代理店として希少な品種を生産、日本にはない様々な品種を輸入するとともに、独自の新品種の開発にも取り組み、年間約400万本のバラを栽培・出荷している。同社が手掛ける多様な品種のバラの展示は約一ヶ月に渡って行われ、ゲストはバラの奥深い魅力に触れることができる。

バラのロビー装飾に関連し、バラに囲まれた贅沢なひとときを体験できる「薔薇ルーム宿泊プラン」も発案。2022年6月2日から7月31日の期間、1日2室の限定販売する。バラのアートフラワーで装飾し、バラに関するアメニティを用意、ウェルカムギフトには「クニエダ株式会社」が丁寧に育て咲かせた大輪のバラのミニアレンジメントも。

また琵琶湖ホテルでは「食べることが守ること」を合言葉に、2002年より協働プロジェクト「里山の食彩プロジェクト」に取り組んでいる。棚田米や地酒をはじめとする滋賀県産食材を積極的にメニューに取り入れ、ゲストが美味しく食事を楽しむことが里山環境の保全に繋がっている。信楽焼や大津絵なども館内各所に取り入れ、ホテルに滞在するあいだに自然と地元のものに触れる機会を作り地産地消に注力している。同ホテルでは引き続き、まだ十分に知られていない、滋賀県産の花卉を館内で紹介する取り組みを進めていくという。

今回の取り組みはゲストにとっては楽しく、生産者にとっても嬉しい取り組みだ。地産地消というと、食材が真っ先に思い浮かぶ人も多いかもしれないが、食に限らず、日本にはそれぞれの地域に個性豊かな特産物がある。国内の自給率を上げるためにも、ぜひ広がって欲しい活動だ。

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地産地消はサステナブル?飲食店が知っておきたいメリット・デメリット

【参考サイト】琵琶湖ホテルが館内装花で滋賀県産のバラを応援 ホテル利用者に県内生産者の育てた多様なバラを知っていただく機会に
【参考サイト】クニエダ株式会社
【参考サイト】里山の食彩プロジェクト

table source 編集部
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