近年、日本のスーパーマッケットでもスペイン産の豚肉を見かけるようになった。独立行政法人農畜産業振興機構の調べによると、スペインはEUでドイツに次ぐ第2位の豚肉生産量を誇り、2015年の生産量は重量ベースで390万トンとなった。また、この30年間で3倍増となるなど著しい成長を遂げ、 輸出もこの10年間で2倍増となった。

2021年現在、EUの豚肉需要は530億ドル規模の産業となっている。一方で、需要増加に対応するためには、養豚業を拡充していくだけでは環境や動物に与える負荷が大きいことが懸念されている。

そうしたなか、12月に代替的な手法としてキノコを使ったプラントベース(植物性)のベーコン「Libre Bacon」を開発したと発表したのが、スペインの首都バルセロナに拠点を置くバイオテック企業Libre Foods社だ。

Libre Baconは、従来の動物性のベーコンを忠実に再現するために、味だけでなく食感にもこだわっている。食感をより近づけるには、キノコなどの菌類の体を構成する、糸状の構造である菌糸が構成要素として適していることがわかっているが、EU内で菌糸の使用することに対して承認がまだ下りていないことが課題となっている。

同社はバルセロナで開催されたプライベートテイスティングイベントで、このベーコンを紹介した。そのフィードバックをもとに2022年初頭の商品化を目指している。

ソーセージやベーコンなどの加工肉は炒め物やパスタ、スープなどさまざまな料理シーンで活躍するが、健康のために添加物を含んだ加工肉は摂取しないという人も増えている。一方で、低カロリーで栄養が豊富なキノコは、ヘルシーな食材として注目を集めている。ベーコンの食感と味を再現したプラントベース食品Libre Baconの商品化に期待したい。

【参照サイト】Is Fungi The Future Of Bacon? We Tasted Libre Foods’ Animal-Free Rashers To Find Out
【参照サイト】きのこ総合研究所|ホクト株式会社

table source 編集部
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