バレンタインチョコの食品ロス9,337個を削減。「ロスチョコおたすけセット」販売

クリスマスやバレンタインなどの季節イベントは市場規模が大きく、各業界の企業にとって収益アップを見込める機会でもある。一方で、企業側が季節商品の需要を予測したり生産量をコントロールしたりすることは難しい。特にバレンタインでは、多くの消費者がチョコレートをはじめとした季節商品を購入するが、2月14日のバレンタインデーを過ぎるとその需要は急落する傾向だ。結果として、バレンタイン限定のパッケージを施された商品は賞味期限内であっても返品や廃棄処分され、食品ロスとなってしまう。

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総務省統計局/チョコレートの季節-家計調査(二人以上の世帯・単身世帯)結果より-

こうしたバレンタインの食品ロス問題を消費者にも認識してもらい、解決に向けて活動しているのが、食品ロス削減を掲げるショッピングサイト「Kuradashi」を運営する株式会社クラダシだ。

同社は、2023年2月15日から28日にかけて「Valentine Shop 0215」を開催。「私たちのバレンタインは2月15日から始まります。」というコンセプトのもと、「Kuradashi」の特設ページ内で、賞味期限内であるにも関わらず、メーカーへ返品されてしまったり、廃棄に至ってしまうチョコレートの販売を行った。同時に、全国11か所でチョコレートを販売するポップアップショップも展開し、オンラインとオフラインで合計9337個のチョコレートロス削減を実現したという。なかでも、新たにオンラインで販売した「ロスチョコおたすけセット」は10種類のチョコレートをお得な価格で詰め合わせており、600個が3日間で完売するほどの反響を呼んだ。

ショッピングサイト「Kuradashi」では、今回紹介したチョコレートのようにまだ食べられるにもかかわらず廃棄されてしまう商品を通常よりも安価で販売することで、食品ロスの削減に取り組んでいる。また、売上の一部は環境保護や災害支援などに関わる団体に寄付されており、買い物を通じてSDGsのさまざまな目標にアプローチできるところも注目したいポイントだ。

さまざまなチョコレートをお得に、楽しみながら購入できる機会が増えれば、消費者が食品ロスについて考え、行動する意識を持ちやすくなるだろう。さらに、こうした手法はバレンタインに限らず、クリスマスやお正月といった季節イベントにも応用可能だ。飲食店やホテル、旅館でも、イベントシーズンに合わせた食品ロス削減に貢献できる企画を検討してみてはどうだろうか。

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【参照サイト】 クラダシ、バレンタイン商品のロスを目指した取り組みで計9,337個のチョコレートのロスを削減
【参照サイト】 総務省統計局/チョコレートの季節-家計調査(二人以上の世帯・単身世帯)結果より-
【参照サイト】 株式会社クラダシ

table source 編集部
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