近年、健康志向や、環境・動物への配慮からプラントベース食品への関心が高まっている。乳製品などの動物性食材を使用せず、チーズのような風味や食感を持たせた「ヴィーガンチーズ」もその一つだ。Research and Marketsによれば、2019年に約3,000億円だったヴィーガンチーズの世界市場は、2025年には約5,000億円規模に達すると予想されている。
しかし、ヴィーガンチーズは豆乳ヨーグルトなどの「植物性ヨーグルト」ほど認知度が高くなく、商品の数も限られている。また、大半が加熱を前提として開発されているため、ワインとペアリングしたり、クラッカーにのせてオードブルとして楽しんだりするなど、そのまま食べるには適さないものが多い。
そうした中、ヴィーガン・ヨガ・サステナブルなライフスタイルをテーマとしたYouTubeチャンネル「TOKYO VEG LIFE」は、2021年6月に化学調味料・保存料無添加のヴィーガンチーズブランド 「TOKYO VEG LIFE faux-mage」から、麹菌を使用した新たなラインアップ 「Koji Miracle」を発表した。
TOKYO VEG LIFE faux-mageでは、ナッツをベースとした新しい発酵食品を作り出している。そこに麹菌を表面に生やし発酵させることで作り上げたのが、Koji Miracleだ。麹菌は、カビ菌の一種で、日本の「国菌」として認定されている。複数種ある麹菌の中から三種類を選び、商品化した。
なお、Koji Miracleは、「ピックアップ(受取)モデル」による予約販売を2021年6月から開始している。ピックアップモデルとは、商品をTOKYO VEG LIFE faux-mageのECサイトで購入後、ピックアップ期間中にピックアップロケーションで商品を受け取る独自のサービスだ。輸送や余分なパッケージングなどによる環境負荷を最低限に抑えるとともに、ピックアップロケーションとなる店舗は追加コストなく集客を行うことができるという。
ヴィーガンチーズのようなプラントベース食品の市場が拡大する中で、麹菌を使用するなど、世界に通用する日本らしい価値があることも差別化できる要因かもしれない。
【参照サイト】Vegan Cheese Market – Forecasts from 2020 to 2025
【参照サイト】TOKYO VEG LIFE faux-mage