タンザニアの子どもたちの自立につながる「りんごフェア」。ホテルオークラ神戸で開催

ホテルオークラ神戸 りんご

アフリカ大陸の東部に位置し、世界銀行の所得階層区分では低中所得国に分類される、タンザニア。WFP(国連世界食糧計画)によると、タンザニアは近年、着実に経済成長を遂げているという。しかし、人口6100万人のうち27%は依然として貧困ライン以下の生活を送っており、さらに8%が極度の貧困状態にあるのが実情だ。また、5歳未満の子どもの発育不全は30%にも及んでいる。

深刻な貧困問題を根本的に解決する手段として、国の未来を担う子どもたちの成育環境を改善することが重要だといえるだろう。

そうしたなか、日本からタンザニアの子どもたちを支援しているのが、小林フィデアさんだ。タンザニア南部のソンゲア出身であるフィデアさんは、長野県飯綱町でりんごを育てながらNPO法人「ムワンガザ・ファンデーション」の理事長を務めている。ムワンガザとは、スワヒリ語で「光」を意味する言葉。活動を通じて、すべての子どもたちが等しく教育を受け、夢と希望を抱いて生きていけるような未来を目指している。

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(左)NPO法人ムワンガザ・ファンデーションが援助する施設、(右)小林フィデア氏

ムワンガザ・ファンデーションはソンゲアで孤児約60名が暮らしているNGO「ソンゲア女性と子どもの支援団体(SWACCO)」とパートナーシップを結び、資金を援助している。また、エイズ孤児や身寄りのない子どもたちのために孤児院を建設し、運営の維持もサポート。さらに孤児たちが援助に依存することなく、自立できる体力と意欲、学力と就業技術を身に付けられるように、人材育成にも注力している。

こうした小林フィデアさんの活動に賛同した「ホテルオークラ神戸」は、ホテルの原点である“思いやりの心を世界へ”をテーマに、2022年に社会貢献活動「スマイルプロジェクト」を発足。フィデアさんのりんごをスイーツという形で提供し、支援の輪を広げるチャリティーイベント「りんごフェア」を二度にわたって実施してきた。その売り上げの一部は、タンザニアの子どもの自立支援に活用されている。

ホテルオークラ神戸 りんご

第一弾・第二弾の「りんごフェア」では合わせて9,000食以上を販売し、総額777,133円の寄付金が集まったという。これまでの寄付金は、長野県飯綱町から寄贈されたスクールバスをタンザニアのこども園に送る移送費の一部と、タンザニアに到着してから通関にかかる経費の一部に充てられた。

そして今回、ホテルオークラ神戸にてスマイルプロジェクトの第三弾となる「りんごフェア」が開催される。期間は2024年10月1日から11月30日まで。

タンザニアの子どもたちの自立を支援「りんごフェア」
    • ホテルオークラ神戸
    • 販売期間:2024年10月1日(火)~11月30日(土)
    • ※詳細は公式サイト

 

第三弾においても、できる限り自然栽培に近い形で育てられたフィデアさんのりんごを活かしたパティシエ特製のスイーツが登場。販売税抜価格の10%分を「ムワンガザ・ファンデーション」に寄付するという仕組みだ。なお、ランチコースとアフタヌーンティーセットについては、1オーダーにつき100円が寄付金となる。

【フェア商品一例】
・スイーツ:カフェレストラン「カメリア」のテイクアウトコーナー

ホテルオークラ神戸 りんご

(上から時計回りに)「りんごのシブースト」「りんごのパイコルネ」「アップルパイ」「赤りんごのムース」「黄りんごのムース」「りんごシフォンケーキ」

・レストランメニュー:カフェレストラン「カメリア」(ロビー階)

ホテルオークラ神戸 りんご

(左)10月ハーモニーランチ、(右)プレミアムアフタヌーンティーセット

ホテルオークラ神戸 りんご

りんごパフェ

・バーメニュー:「メインバー エメラルド」(ロビー階)

ホテルオークラ神戸 りんご

りんごスマイルカクテル

上記は、フェア商品一例。そのほか「鉄板焼 さざんか」でも、りんごのデザートが付いたランチコース「おすすめランチ」が用意されている。そして、ホテルの朝食ブッフェには野趣あふれるフィデアさんのりんごを取り入れたフルーツメニューが登場するという。

今後も、スマイルプロジェクトではさまざまな支援活動が計画されている。2024年は、ホテルオークラ神戸が開業35周年を迎えたことを記念し、フィデアさんの農園にりんごの苗木を植樹した。「ホテルオークラ神戸のりんごの木」と命名し、末永い交流と継続的な活動のシンボルとして成長を見守りたい、としている。

また、「ムワンガザ・ファンデーション」は、タンザニアの子どもたちが日本式の情操教育を取り入れた音楽や美術、スポーツなども学べるようにと2025年1月に幼稚園の開園を目指している。その幼稚園舎で什器などが不足している状況を受け、ホテルで使わなくなった鍋、ボウルといったキッチン用品や食器などを新たに寄付する予定だ。

ホテルオークラ神戸 りんご

今回紹介したホテルオークラ神戸の「りんごフェア」は、SDGsの1番目の目標である「貧困をなくそう」や4番目の目標「質の高い教育をみんなに」、17番目の目標「パートナーシップで目標を達成しよう」の達成にもつながる。そして、こうした目標を追求する過程で、第一弾・第二弾・第三弾と“継続的に取り組む”ことは、とても重要なポイントとなる。

また、りんごをかたどったスイーツなど、美しいメニューを写真に撮って発信したいと思うゲストも多いのではないだろうか。SNSなどを通して、一人でも多くの人がタンザニアの抱える課題を考えるきっかけになることを期待したい。

【参照サイト】神戸三宮のランドマークホテル ホテルオークラ神戸【公式】 | りんごフェア
【参照サイト】【ホテルオークラ神戸】タンザニアの子どもたちの自立を支援する「りんごフェア」を10月1日(火)より開催
【参照サイト】【ホテルオークラ神戸】タンザニアの子どもたちの自立を支援する「りんごフェア」を開催(2022年9月20日)
【参照サイト】 World Food Programme:Tanzania
【参照サイト】JICA:タンザニア | 海外での取り組み
【参照サイト】Mwangaza Foundation フィデアのタンザニア孤児支援活動

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