ヴィーガン ベジタリアン 中国料理

人口急減や超高齢化といった課題を抱える日本社会では、各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会を実現する「地域活性」が推進されている。食や自然、文化、地場産業など多方面から地域活性化にアプローチできれば、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」の達成につながるだろう。持続可能なまちづくりにおいては、地域の特色を観光資源として活かすことも有効な手段のひとつだ。

そうしたなか、埼玉県所沢市は近年増加する訪日外国人観光客を誘致するべく、地域施設と連携して周辺環境の整備や産官共同での事業展開など、街の魅力を創出する様々なプロモーションを進行している。

ヴィーガン ベジタリアン 中国料理

その一環として、「株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド」が運営する所沢市のホテル「中国割烹旅館 掬水亭(きくすいてい)」は、一般社団法人「所沢市まちづくり観光協会」と連携。ホテル内のレストラン「天外天(てんがいてん)」にて、多様化する食のニーズに応える新しいコース料理「翠玉コース」を2025年3月31日(月)まで販売する。

新たに提供される「翠玉コース」は、植物性由来の食材と調味料を使用したベジタリアン・ヴィーガンメニューだ。彩り豊かでありながら、宗教や健康上の理由、個人の考えに配慮したサステナブルな中国料理に仕上げている。
菜食主義であるベジタリアンはもちろん、より厳格で肉や魚だけでなく卵や乳製品、ハチミツなど動物性の食品を一切摂取しないヴィーガンの人でも安心して食べることができる。また、野菜の選び方にも留意し、宗教によっては避けるべきだと考えられている臭いの強い野菜「五葷(ごくん)」も使用していないという。

今回のメニューの開発には、食の多様性に対応した社会構築に取り組む「フードダイバーシティ株式会社」が協力している。

ヴィーガン ベジタリアン 中国料理

中国割烹旅館 掬水亭 レストラン「天外天」

所沢市の地域活性化と観光振興を目的に設立された「所沢市まちづくり観光協会」では、所沢市の観光資源を国内外に向けて積極的に発信している。また、観光振興による経済効果を明らかにするため、インバウンド誘客にも注力しているという。こうした地域密着型の団体と地元の宿泊施設が共に活動することで、観光によるまちづくりもより具体的に実現できるだろう。

さらに、中国割烹旅館 掬水亭は「西武園ゆうえんち」に隣接しているため、ホテル内のレストランはインバウンドだけでなく、子ども連れの家族層からのニーズも高いと考えられる。
厚生労働省の食物アレルギー対策委員会の報告によると、日本における小児期の食物アレルギーで最も多いのは鶏卵であり、次いで牛乳が挙げられている。そのため、子どもに提供する食事には十分な配慮が必要だ。そこで、ヴィーガン対応の「翠玉コース」なら、卵や乳製品にアレルギーを持つ子どもにとっても、安全な食事の選択肢となるだろう。

今回紹介したコース料理のように、ホテルや飲食店で誰もが楽しめる食事を提供することは、ひとつの観光資源として今後の地域活性を促進する要素となりそうだ。

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【参照サイト】翠玉コース | 中国割烹旅館 掬水亭
【参照サイト】【中国割烹旅館 掬水亭】植物性由来の食材と調味料を使用したベジタリアン・ヴィーガンメニュー『翠玉コース』を新たに販売開始
【参照サイト】内閣官房:地方創生に関する取り組み
【参照サイト】厚生労働省 リウマチ・アレルギー情報 第4章食物アレルギー

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table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆さまに向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
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