1,000頭の「木彫りの熊」をアップサイクル。北海道レストラン「KIBORI(キボリ)」がオープン

本来捨てられるはずのものに、新たな価値を与えて再生するアップサイクル
生活情報誌「オレンジページ」が2021年に行った「SDGsに関するアンケート」によると、アップサイクルの認知度は言葉だけ知っている人も含め30.9%という結果になった。一方で、関心がある人は65.3%と、半数以上いることが明らかとなった。食品や古くなり使わなくなったものなど、身近なものから試してみたいという意欲的な声も多かった。

消費者の環境課題への意識が高まるなか、飲食事業を展開する「株式会社パートナーズダイニング」は、2022年11月下旬に新業態「KIBORI(キボリ)」をオープンするにあたり、一般家庭に眠る「木彫りの熊」回収し、店内の調度品としてアップサイクルする「クマファンディング」を実施した。

「KIBORI」は「日帰り北海道体験」をテーマに、「海」と「大地」をテーマとした2フロア構成で食のエンターテイメントを提案する飲食店。店内は北海道の雰囲気が感じられるよう、モチーフを「木彫りの熊」とし、大小あわせて1,000体を並べるという。その一部に取り入れたのが「クマファンディング」だ。今回、採用された提供者には返礼品として、「KIBORI」で利用可能な食事券1万円分を配布。

各家庭に眠るものを回収し、飲食店の調度品として再利用するというユニークなアイデア。返礼品を受け取ることができるうえに、「断捨離」や「終活」が話題の今、捨てるに捨てられなかったものを手放すきっかけにもなり、消費者にとってのメリットも大きい。飲食店にとっても、返礼品がお店に足を運ぶきっかけとなって、リピーター獲得にも繋がるかもしれない。

物の新しい価値を作り、寿命を延ばすアップサイクルはSDGsの目標12「つくる責任つかう責任」とのかかわりが深く、様々な分野でも応用できそうだ。
飲食店として取り組む、サステナビリティの新しい形のひとつとして参考にしてみてはいかがだろうか。

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uptile dish/廃棄タイルをアップサイクルした食器

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